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2009年3月 5日

2月から3月へ


 2月は28日で月末を迎えたこともあり、またたくまに1ヶ月が過ぎたような気がします。そんな中、香川県の今は三豊市となった旧仁尾町にお邪魔し、心なごむ風景に立ち合わせていただきました。ここは瀬戸内の温暖な気候を利用してミカンやビワなどの栽培が盛んに行われていますが、かつては港町として栄えたところ。その港を埋め立てた奥に古い神社があり、今回の訪問はその神社にある太鼓の革の張り替えについて相談を受けたからでした。

 以前は目の前にすぐ海があったという神社の参道両脇には、いかにも時代がかった木の灯籠。そこに明かりがともるころ、氏子の長老や青年団の若者15~16人が集まり、くだんの太鼓を囲んで話し合いが始まりました。成り行きを聞いていると、どうやら青年団はこの際新しい太鼓をあつらえたい様子。それに対して長老の皆さんは、若いころから祭りを共にしてきた太鼓にまだまだ愛着がある様子。お互いに正反対の意見を出しながら、そこに流れる空気は決してトゲトゲと反発するものでなく、まるで全員が家族のように相手の言い分をしっかりと、あたたかく受け止めているのでした。

 しかし、なかなか決着がつかず、思いきって古い革をはずし、中をのぞいてみることにしました。そこには「昭和5年謹製」の文字。今からおよそ80年前につくられた太鼓です。期せずして青年団からも長老からも「ほう」という声があがり、結局は80年にわたって祭りを支えてきた太鼓を張り替えてもう一働きしてもらうとともに、若者たちに祭りの将来を託すべく新しい太鼓もつくろうという結論に落ち着きました。一度は二つに意見が分かれたものの、最後には八方が丸くおさまり気持ちのよい決着に至るまでのやりとりはなんともほほえましく、東京での所用を経由して香川に赴いた旅の疲れを忘れさせてくれました。誠心誠意をこめて作業に取り組みますので、どうかしばらくお待ちください。

 会社に戻り、ようやく春めいてきた陽射しに心浮き立つ思いでいた3月、雛祭りの3日にはいきなり真冬に逆戻りしたような寒さがやってきましたが、これも春に近づくための三寒四温。皆さん、風邪などひかないようにご注意を。

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