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2012年9月25日

芸さまざま、今週も元気を出して!

  18日、海外での活躍も著しい太鼓集団「TAO」が拠点とする大分県の久住町に、桶胴太鼓の配達に行ってきました。標高約900mの高原にメンバーの宿舎や太鼓練習場、野外劇場などが集積する「TAOの里」に久し振りに足を踏み入れ、朝日を望み、夕日を仰ぐ素晴らしい環境にあらためて感動。

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  開放感いっぱいの大自然の中、さぞや練習にも創作にも没頭できることがうかがけえます。西さん、水藤さん、岸野さんら幹部メンバーも顔をそろえ、昼には美味しいスパゲティもご馳走になり、長距離運転の疲れもどこへやら。皆さん、どうもありがとうございました。

  石川に戻り、21日は東京へ。長野を拠点とするチームのコンサートにお邪魔しましたが、いろんな意味で太鼓芸の在り方を考えさせられた公演でした。打てば誰でも音が出せる楽器。それゆえに、本当に人の心に響かせる演奏をすることの難しさ。太鼓のもっとも手強いところです。

  翌22日は、国立演芸場で「歌声寄席」。国本武春さんの浪曲と弾き語りの味わい深さに酔い、谷川俊太郎の詩を朗読した坂田明さんの訥々とした語り口に心を清められ、後半は伊藤多喜雄さんのロック民謡が明るく会場を盛り上げ、各人の芸の力の凄さに圧倒されたひと時でした。

  夕方の飛行機で急ぎ戻った我が社では、この日朝からテレビ朝日系列の情報番組「シルシルミシル」の収録がスタート。レポーターは鈴木ウドさんですが、テレビで拝見するお笑いキャラとは大違いに、実物は今どき珍しいほどの礼儀正しい人物。芸の世界に生きることの厳しさを垣間見たような思いです。それにひきかえ、「この自分は65年歳を重ねて、何か進歩があっただろうか」などと、少し反省。ともかくいろんなことに触発された1週間。今週からまた元気を出して頑張りましょう!

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2012年9月18日

音色さまざま、初秋の太鼓三昧

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先々週末の8日、9日、三重県で恒例の「神恩感謝日本太鼓祭」が開催されました。恒例といっても、今年は昨年までと運営組織やスタッフなどが変わり、新しい態勢の中での開催。出演団体の顔ぶれも大きく変わり、打ち込みの太鼓あり、いかにも「今どきの若者」というリズム偏重の太鼓あり、長く太鼓を見てきた私には、今後の展開も含めて、いろいろ考えさせられる祭りでした。この太鼓界、何が残り、何が消えていくのか、しっかり目を見開いて見届けたいものです。

 そして先週末の15日は、八丈島で太鼓道50年、八丈太鼓の名手である菊池隆さんの還暦を祝う会が、ここ白山市で開催されました。

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ディナーショー形式で進行した公演には、長年の朋友である鼓童の藤本吉利さんと島根の今福優さんがゲスト出演して円熟の舞台を盛り上げ、また富山の山本綾乃さんが紅一点の華やかさを添えてくれました。寡黙な菊池さんですが、太鼓にかける思いと情熱は人一倍。親子で打ち込む八丈太鼓は、菊池さんの芸の深まりとともに、相方を務める長男・卓さんの成長も著しく、本当に心にしみる良い公演となりました。菊池さん、あらためて「還暦おめでとうございました!」。


 翌16日は、岡山県「倉敷天領太鼓」のエース、山部泰嗣さんの石川公演。弱冠24歳という若者ながら、太鼓歴はすでに21年。天性の素養を持つ太鼓打ちとして早くから注目されていましたが、近年は同じく20代の尺八奏者の石垣征山さん、津軽三味線の浅野祥さんとともに、新たな音楽づくりにも挑戦。

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「太鼓」「邦楽」という枠に縛られない自由な発想で、あれこれ試行錯誤している様子。将来が楽しみな三人です。山部さん、そして山部さんを、芸の上で父のように見守り指導してきた小山寛さん、どうもお疲れ様でした。山部さんがMCで宣言されたように、数年後、ふたたび石川で舞台に立たれる日を楽しみにしています。

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2012年9月 4日

若い観客を育てるのが今後の課題

 9月に入り、朝晩はやや涼しさを感じるようになったものの、日中は相変わらずの猛暑続き。皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。

 さて、1日、東京の国立劇場で、恒例の「日本の太鼓」公演がおこなわれました。昭和52年(1977)にスタートして以来、太鼓演奏の殿堂として誰もが憧れた舞台に、今年は「三宅島神着木遣太鼓」「銚子はね太鼓」「倉敷天領太鼓」「英哲風雲の会」の皆さんが出演されました。近年、太鼓の世界も女性の進出が著しく、どこに行っても女性の打ち手を多く見かける中、今回の「日本の太鼓」では「一打に込める思い」というテーマに象徴されるように、どの団体も若い男子の打ち手がそれぞれに思いを込めた一打一打をしっかり聞かせてくれました。新しい時代を背負う若者が確実に育ってきたことを実感しました。

 しかし、会場を見回すと、妙な違和感があることに気づきます。観客の多くが、熟年からシニア世代なのです。舞台にいるのは若者なのに、それを見る観客に若者の姿は少ない。同世代の人たちにこそ見て欲しい舞台でしたが、それに対して観客が育っていないというギャップが、今後の和太鼓発展のための一つの課題かもしれないことを実感した公演でした。


 今週末は伊勢神宮内宮周辺一帯で、これも毎年恒例の「神恩感謝日本太鼓祭」が開催されます。今年は三重県をはじめ、関東から岡山まで16団体、約150人以上の打ち手が参加し、伊勢神宮の神々のお膝元で畏敬と感謝の太鼓を打ち鳴らします。どうかたくさんの皆さん、とくに若い世代の皆さんが足を止めて耳を傾けてくれるよう願っています。







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