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2016年10月31日

若者たちの成長が嬉しい舞台

 

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 6日、東京の読売ホールで、神戸の木村優一さんのコンサートがありました。木村さんといえば今から23年前、JTのコマーシャルで林英哲さんが作曲した「七星」を演奏したのが初めての出会いでした。「七星」を打つ大太鼓の打ち手の一人として、「和太鼓松村組」を立ち上げたばかりの松村公彦さんに声をかけると、松村さんは当時まだ高校生だった木村さんと上田秀一さんも一緒に出演できるなら参加させてもらうという返事。もちろん3人一緒に出演していただいたのですが、師と教え子の強い絆に感動したものでした。

 以後、木村さんも上田さんも太鼓打ちとして大きく成長。今はそれぞれに自分の道をみつけて活躍されており、木村さんは「太鼓オルケスタ」と名づけた太鼓と洋楽器のオーケストラに独自の演奏形態を確立されたようです。16日のコンサートでは、太鼓と洋楽器のアンサンブルが華やかな音色を奏で、なんとも楽しい2時間。思いきって東京の会場を選んだという演奏活動25年の節目の公演は、実り多いものがあったようです。

 一方、映画と同時上演されることで話題になった中村勘九郎さん主演の舞台「真田十勇士」に、元「大阪打打打団」メンバーの小島功義さんが太鼓で出演。ご案内をいだいて劇場を訪れると、なんとステージ中央でスポットライトを浴びた大太鼓と桶胴・締太鼓のソロで幕開け。いっきに興奮した観客を前に、今人気絶頂の若手俳優たちによるストーリーが展開するのですが、随所に太鼓のシーンが組み込まれ、大活躍の小島さん。十勇士を鼓舞するような太鼓の響きが、ひとしお物語の臨場感を盛り上げていました。

 木村さん、小島さん、どちらの舞台も素晴らしく、またここに至るまでの道のりのご苦労も想像できるだけに、客席の拍手が自分のことのように嬉しかったステージ。これからも楽しみにしています。

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2016年10月21日

三者三様の太鼓の舞台に感動

 10月に入り、石川県内で相次いで三つの太鼓コンサートが開かれました。

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 まず12日に長崎の「瑞宝太鼓」、翌13日に大分の「TAO」、そして15日に長野の「和力」。それぞれにまったく個性の異なるチームが見せてくれた三つの舞台に、あらためて太鼓という楽器が創造する面白さを感じた三日間でした。

 12日の瑞宝太鼓は、障害をもちながら太鼓を演奏しているプロ集団です。9月に長崎を出発し、全国のステージを巡回しながら石川に到着。これほど大きなチームに成長するとは20年前の設立時には予想もしなかったこと。おそらく健常者の何倍も努力されたことを思うと、メンバー一人一人に心からの拍手を贈りたい気持ちでいっぱいでした。 

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 翌日のTAOの舞台は、「舞響」というタイトルにふさわしいエンターテインメント性の高い舞台で、次々に展開される大スペクタクルに目を奪われ続けた2時間。7月に東京で観た時よりもさらに進化したステージに、代表者である藤高郁夫さんの、ものをつくる意志の力の大きさにあらためて敬服した次第です。

   

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  そして和力といえば、あくまでも古典を踏まえながら、柱となる加藤木朗さんを中心に、ゲストの今福優さんや内藤哲郎さんの芸風も活かしつつ、独特の空気感に満ちた舞台にほっとさせる和やかさ。それぞれに自分の道を探求している姿も好もしく、これもまた心惹かれるステージでした。

 ともかく三者三様の太鼓の舞台。いずれも太鼓の将来性を感じさせ、日本が世界に誇る「太鼓」という文化の大切さを実感しているところです。

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