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2018年5月 7日

時移りて ~No.2~

 世間はゴールデンウイークのまっただ中。日本列島はまさに民族大移動の様相。私も結婚式に招かれ、これから長崎に旅立つところですが、そのつれづれに太鼓の昔語りを少々。

 4月13日のブログで、1950年代ごろ我が家に出入りしていた太鼓打ちのことを書きましたが、やがて時移り1960年代。戦後経済は完全に立ち直り、世は「所得倍増」のかけ声のもと、さらなる経済成長に突進。同時に地域活性化策として空前の観光ブームが巻き起こり、ここ石川の加賀温泉郷にも連日大型バスの観光客。迎える各旅館では余興として太鼓を用意し、「加賀太鼓」を披露。1尺5寸の長胴と2尺5寸の長桶を組み合わせた加賀太鼓の人気はうなぎのぼりで、当時の花形の演し物であるストリップと人気を二分。北陸に伝わる打法を駆使し、さらに見せ方や口上も研究して宴席を盛り上げ、今に残る「三つ打ち」の原点を確立。テレビ局や有楽町の日劇に出演した際は、私も同行したことが懐かしい思い出です。

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 さらに時進み、強烈な思い出となっているのが、北海道の大場一刀さん。通常、太鼓セットは数個の太鼓をドラムセットのように半円状において打つのが、大場さんは横一列に7個並べ、バチを交差しながら順繰りに打っていく「渡り打ち打法」を考案。私にとっては、まさに驚異のその打ち方はたちまち北海道の人々を魅了し、「北海太鼓」として浸透。後に、北海自衛太鼓創立の基となった。太鼓とともに歌もプロ級の大場さんはキングレコードからLPレコードを出し、さらにテレビの「笑点」にもひんぱんにゲスト出演。ともかく、やることなすことが型破りの太鼓打ちでしたが、惜しくも 平成9年に他界。私には今も忘れがたい太鼓打ちの一人です。

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