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2017年9月 4日

明日香村での爽やかな朝

 「人の輪の中に太鼓がある」との信念を掲げ、1993年にたった4人でゼロからスタートした「和太鼓倭」。先週、配達に訪れた本拠地の奈良県明日香村で、代表の小川正晃さんはじめ現在は30人を超えたメンバーの皆さんと久し振りの再会。今は一年の大半を海外での自主公演に費やし、自分たちの信じる道をまっしぐらに歩み続ける皆さんの成長はまぶしいばかり。さらにこれからどんな未来図を見せてくれるか、ますます楽しみなところです。

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  早朝4時に北陸を出発し、思いのほかに早く到着した8時30分、前日海外から帰国したばかりというタイミングながら、時差ボケのさめやらぬ眠い目をこすりながらも、小川さん始め皆さんで手伝ってくれた荷下ろしにも感謝、感謝の爽やかな朝でした。

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2017年8月18日

白山開山1300年祭で、身も心も清々しく白山を仰ぐ

 

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 各地で何かとイベントの多い8月、ここ石川でも大きなイベントあり。富士山、立山と並んで「日本三名山」とも、あるいは修験の山であることから「日本三霊山」の一つともいわれる白山の「開山1300年祭」が行われました。養老元年(717)、福井の僧・泰澄大師が白山比咩大神のお告げを受けて初めて白山の峰に分け入ってから1300年。その節目を記念し、今年一年を通じて白山の麓の石川、福井、富山の白山神社でさまざまな催しが行われる中、白山神社の総社である白山市鶴来の白山比咩神社では9日から11日まで盛大な「白山開山1300年記念奉祝大祭」を開催。我が社も奉納演奏などで参加させていただきました。

 奉祝の祭典と直会には、出雲大社や明治神宮、熱田神宮、生田神社、熊野本宮大社、秋葉神社など、全国の名だたる神社およそ120社の宮司職が参集。年齢は30代から80代までさまざまでしたが、いずれも優に千年を超えて「神文化」を継承してこられた人々ならではの重厚な雰囲気が感じられ、あらためて日本人としての自覚を新たににしたひと時。身も心も清々しく、青き白山を仰ぎ見た大祭でした。

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2017年7月27日

毎夏恒例のイベント、好評をいただきながら終了

 

 梅雨明け前というのに連日の酷暑、皆さまどうか体調管理にご注意ください。また九州や秋田の皆さまには記録的豪雨で大きな被害に見舞われたこと、心からお見舞い申し上げます。どうか一日も早い原状復帰を祈るばかりです。

  さて、7月9日、大津琵琶湖ホールで「秀明太鼓 地球自然の詩」コンサート。藤舎名生師の作曲・総合監督のもと、4尺大太鼓4台、5尺5寸大平大太鼓1台、中太鼓18台というフル編成が奏でる荘厳な音。数百年の樹齢から醸し出される音霊と打ち手たちの心の叫と自然との対話が聞こえたような気がした舞台で、納得して帰路に着きました。皆様お疲れさまでした。

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 翌週の7月16日、毎夏おなじみの「白山国際太鼓エクスタジア2017」を終了しました。1993年のスタートから24回目。今回はまったく異なる内容の昼・夜2回公演。昼の部では、青森、岐阜、長野、東京、徳島、兵庫、そして石川県と、それぞれに地域の香りを加味した個性豊かな太鼓演奏を繰り広げ、「太鼓もここまできたか」と感無量のステージ。

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一方、夜の部では林英哲、山下洋輔、坂田明のエキスパート3人が、それぞれに太鼓域、ピアノ域、サックス域で熟練した者だけが奏でる見事な音づくりのコラボレーション。まさに神業に達したような至高の舞台を見せてくれました。両舞台にご出演の皆さま、本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました。またアンケートでさまざまなご感想やご意見をくださった観客の皆さまにも、心より御礼を申し上げます。

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 明けて17日は、林英哲杯太鼓楽曲創作コンクール本選の2回目。今回は一次審査に48作品の応募があり、第1回より総数は減少したものの、作品内容が全体に大きくレベルアップ。本選には16の独奏・団体が出場し、オリジナリティの高い楽曲を披露。また個々の楽曲に対する英哲さんの講評もさすがの着眼点で、客席の皆さんにも大いに参考になったことと思います。第3回目へもたくさんの作品応募をお待ちしています。

 一日おいて19日は、東京で「TAO」のコンサートでした。

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>練り上げたエンターテインメント要素いっぱいの舞台は、まるで演劇を見ているような感覚。自分のイメージ通りの舞台を仕上げた代表の藤高郁夫さんに、あらためて敬服の念。発想力、創造力、実行力、指導力など、トップに立つ人が持つべき力をすべて備えた藤高さんの手腕に、同じ経営者の立場として大いに刺激を受けた公演でした。

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2017年7月 3日

茅の輪くぐりで今夏の息災を祈願

 栃木県那須塩原で「大田原与一太鼓」の顧問を務めてきた早川敬二さんが体調を崩したと耳にし、先月の24日にお見舞いに。早川さんといえば、忘れられないエピソードが一つ。わが財団法人浅野太鼓文化研究所と東京新聞が共催で2003年から11年間にわたって開催してきた「東京国際和太鼓コンテスト」で、まさに11年の間、毎年欠かさず大田原市の銘菓「縄文最中」をダンボール箱いっぱいに送ってくれた人です。初めのうちは単なる差し入れの一つという認識でしたが、年を経るごとに、いつしか「三の鼓」をかたどった最中を待ちわびるようになり、それに応えるように開会式の日に楽屋に届く縄文最中のふくよかな甘味は、今も忘れられません。あらためて、感謝です。今回、4年ぶりにお会いした早川さんは、病によってやつれ気味とはいえ、太鼓に対する情熱は以前のまま。同じ時代を共に走った同志として、どうか一日も早く回復されるよう祈りながら再会を約束して那須を後にしました。

 翌25日は、日本太鼓財団の全国講習会。一昨年から講師を請われてふつつかながら務めているのですが、実はいろんな面で私の方が勉強させられることばかり。今回の会場は福島県郡山市の片平公民館で、およそ80人の受講生が熱心に私の講義を聴講してくれました。また財団においても全国各地でこうした講習会を開催し、太鼓の底辺拡大に尽力くださることは実に有り難いこと。関係各位の皆さん、ありがとうございました。

 27日、今度は高知で「土佐一響館太鼓研究所」を主宰されている明神和宏先生の卒寿のお祝いへ。毎年高知市で開催している太鼓コンクールの明年の打ち合わせなどしながら、先生が力を尽くしておられる生涯学習の大切さを痛感。先生を見習い、年齢を重ねても積極的に自分の足で前に進むことを誓ったひと時でした。

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 その足で向かったのは松山市で開催された「TAO」の新作公演。「ドラムロック疾風」のタイトル通り、バチのヘッドのスピード、タイミングの良さに、よく稽古を重ねたことを実感。全員の呼吸の合ったハーモニーや大太鼓、大桶,中太鼓を駆使した視覚的効果などにも目を奪われ、感心しながら帰途に就いた旅でした。

  さて、月あらたまり7月1日。地元、白山比咩神社のお一日参りへ。夏越しの厄除けの茅の輪くぐりで、この夏の息災を祈願。爽やかな空気の中、16日開催の「白山国際太鼓エクスタジア」、17日の「二回林英哲杯太鼓楽曲創作コンクール」の成功も合わせてお願いした早朝の参拝でした。

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2017年6月16日

たくさんの人から元気をもらって

 石見銀山が世界遺産に登録されて10年、石見銀山天領太鼓が結成されて30年。それを記念し、5月27日に島根県大田市で石見銀山天領太鼓による「和太鼓で奏でる石見銀山歴史物語〜龍が導きし輝く歴史〜」が開催されました。地域に伝わる龍伝説を太鼓で表現することで新しい文化を創造しようと意気込む13人のメンバーの熱い気持ちが反映された舞台は、全員のチームワークの良さと、工夫された舞台構成が印象的で、パンフレットも英文の解説が添えてありと、まさに世界を視野に入れたようなステージ。どうかこれからも地方の力をはぐくみ、末永く活動されるよう楽しみにしています。

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 その翌週6月3日は我が社の創立記念日。慶長14年(1609)の創業から407年目のこの日、静岡から祝いに駆けつけてくれたのは「大富士公時太鼓」の皆さん。私が40代のころによく配達にお邪魔した団体で、当時のことなど思い出し、懐かしい話に花を咲かせたひと時でした。

 翌4日は東京の江東区文化センターで「東京打撃団」の公演。時とともにメンバー構成は変われど、相変わらずの楽しいステージ。皆さん、お疲れ様でした。

 そしてその週末10日は六本木ヒルズアリーナで、山本寛斎さんプロデュースの「日本元気プロジェクト2017 スーパーエネルギー!!」。タイトル通りのエネルギーあふれる45分のステージは、ファッションショーありライブありの、見応えたっぷり。毎回、太鼓で表現する機会を提供してくれる寛斎さんに、あらためて感謝!お陰さまで炎太鼓ともどもたくさんの元気をいただいた舞台。どうもありがとうございました。

 

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2017年5月27日

さわやかな5月、太鼓の響き にしひがし

 アメリカ・ラスベガスでの「シルク・ドゥ・ソレイユ」の太鼓の張替をASANO TAIKO US代表の浅野勝二と無事に終えて、13日午後に帰国。

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  翌14日は我が社の東京拠点「太鼓の里響和館」で年に一度の太鼓教室の発表会「響和祭」。いつのまにか今年で第9回目を迎えることになり、総勢約200人の皆さんが日頃の「自分磨き」の成果を発表。こうして熱心に教室に通い続けてくださる受講生の皆さんに感謝、日々の指導に熱い情熱をそそいでくださる講師の皆さんに感謝、この日も最後まで後片付けに協力してくださった皆さんに感謝、そしておよそ4時間に及んだ長丁場の舞台にたくさんの拍手をくださった観客の皆さんに感謝。すべての皆さんに心からの感謝をささげ、来年の第10回に向けてあらためて奮起を誓った一日でした。どうもありがとうございました。

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 同じ14日、大阪府寝屋川市では関西を中心に活動している若者たちが結成した「和楽器集団東」の旗揚げ公演。大きく育てよ、との祈りをこめて「おめでとうございます」。

 この週半ば、「鼓童」公演「幽玄」へ。歌舞伎俳優・坂東玉三郎さんの演出と出演による舞台は、太鼓と能、舞踊が一帯となった、まさに幽玄という言葉がぴったりの新境地。太鼓のさらなる可能性を予感させるステージでした。

 翌週21日は、この道40年、今年還暦を迎える富田和明さんが「富田歓暦(かんれき)歩き打ち『浜から島へ』」の歩き旅に出発。1975年4月、故郷の淡路島から横浜に上京してきた路を、太鼓を打ちながら42年ぶりにたどって還るという壮大な計画。この日は朝9時に深川不動寺で護摩法要を受け、太鼓と読経に送られてのスタート。6月18日に淡路島の洲本市民交流センターで行われる予定の「淡路打ち上げコンサート」に向けて、力強く一人行脚に踏み出しました。こんな独創的なイベントを発想する人物がいることは、太鼓界の大きな財産。どうかつつがなく成就するよう祈った旅立ちでした。

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  同じくこの日にこの道40年を祝ったのは、静岡県御殿場市の「富岳会和太鼓療育40周年記念富岳太鼓コンサート」。運営していた施設である日、障害をもつ一人のお子さんが、夏祭りのやぐらに登って楽しそうに太鼓を打つ姿を目にし、「障害のある人々のリハビリと社会自立に太鼓を取り入れようと決意した」という社会福祉法人富岳会の理事長・山内令子さん。以来、試行錯誤を重ねながら、40年にわたって太鼓療育を実践・追究してきた努力とご苦労は計り知れないものがあったことでしょう。山内理事長,強嗣さんをはじめ多くのスタッフの皆さんの一途に太鼓にかけた情熱と思いに心から敬服し、何事もまっしぐらに進めば花が咲くことを実感したコンサートでした。

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 会社に戻れば机の上に一通の封書。大阪で「打打打団天鼓」の代表を務める伊瑳谷門取さんからで、6月からスタートする海外公演のご案内に加え、去る5日に東京で上演した「ロミオとジュリエット」で秋に再演されるとのこと、奏者の表情、音と動きが一体化した見事な舞台でした。これもまた嬉しいニュースで、言葉の表現を太鼓の表現に置き換えてストーリー性のある太鼓を目ざす打打打団のステージの、さらなる進化を楽しみにしています。

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2017年5月 8日

18年前と23年前の、二つの初心

 

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 昨日、新潟県糸魚川市で、松本悠斗さんのデビューコンサート「ZERO」がありました。今20歳の松本さんが太鼓を始めるきっかけとなったのは、2歳のときにおじいちゃんが買ってくれた小さな太鼓。それがなんと我が社の太鼓だったそうで、それから18年後に約1,000人収容の大きなホールを満席にするほど大きく成長した姿を目の当たりにして、感動もひとしお。これからプロとしてさらに努力を重ねていくだろうことを思うと、将来が大いに楽しみ。第四世代となる若い太鼓打ちに、期待大の公演でした。

  同じく今から23年前、世界的なエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」に鼓童を通じ21張の太鼓を納入。6尺の桶胴太鼓を筆頭に、3尺5寸桶太鼓3張、1尺8寸桶太鼓5張、4尺と3尺5寸、3尺の平太鼓が各1張、2尺2寸の長胴が2張、1尺6寸の長胴が2張、5丁掛け締太鼓が5張という内訳で、当時「鼓童」に在籍していた近藤克次さんが作曲指導と赤嶺さんが通訳で同行。「ミステリア」と題した公演で、ステージ真上から6尺の桶がスルスルと降りてくると同時に、左右から二つの平太鼓、そして対角線上に四つの長胴が現れるというダイナミックな演出に、体がゾクゾクしたことを今も覚えています。それから何度かチューニングなどで足を運び、このほど十数年ぶりの張り替え依頼。実は本日これから出発というスケジュールで、

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   (シルクドソレイユ MYSTEREのパンフレットより)

 23年前に自分で手がけた太鼓が海外の大舞台で打ち込まれる様子を誇らしく見守った初心を思い出しながら旅支度を終えたところです。では、では、、

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2017年4月10日

年度末のしめくくりに嬉しいできごと。そして新年度のスタート

 

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 ここ白山市は、今まさに桜満開。右を見ても左を見ても、桜色の花群れが誇らしげに春を謳歌しています。そうしたのどかな風景とはうらはらに、北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射したかと思えば、アメリカはトランプ大統領の指揮により突然のシリア軍攻撃。なんともおだやかならぬ世情ではあります。

 

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 さて、3月の年度末にも、各地で太鼓に関するさまざまな動きがありました。25日土曜日は、愛知を拠点とする山田純平さんが東京の日本橋公会堂で「旗揚げ全国ツアー 〜鼓・舞・伎〜熱響打楽」と題したコンサート。山田さんと4人の若者が立ち上げた「和楽総合芸術集団山田純平×熱響打楽」による全国縦断コンサートの皮切り公演で、物語性のある舞台展開は、ゆっくりと時間をかけて練り上げた舞台づくりの姿勢が見えて、我々のものづくりの心にも通じるものあり。地道に何かをつくろうとする若者の姿勢は、春のさきがけのような爽やかさを感じさせました。

 翌26日は福島市で「飯坂温泉太鼓祭り」。福島県民に絶大な人気があるイベントは今年で16回目。午前10時から午後4時まで、1940人収容の会場は熱気いっぱいで、鼓童の名誉団員の藤本吉利夫妻、東日本大震災以降福島にエールを送り続けてきたサンバチーム「バンダジラソウ」、一つの太鼓を二人の男性が両側から抱え、組んでほぐれ、もみ合いながら太鼓を打つ「銚子はね太鼓保存会」、地元福島市の「愛宕陣太鼓連響風組」などが大奮闘。6時間の長丁場にもかかわらず、最後までたっぷり楽しめたコンサートでした。

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 その三日後の29日、東京の帝国ホテルで第38回松尾芸能賞の受賞式と祝賀会。松尾芸能賞とは、公益財団法人松尾芸能振興財団により、昨年一年間に芸能界でもっとも幅広く活躍された方々が、各界文化人で構成される選考委員の厳正な選考により選ばれる賞で、特別賞、新人賞、優秀賞のほか、もっとも活躍著しい人に「大賞」が贈られるものです。今年はその大賞を、林英哲さんが受賞。ちなみに昨年の大賞受賞は平幹二朗さん、一昨年は五木ひろしさんと、まさに芸能界の頂点に立つ皆さんが受賞。1971年から45年間にわたって日本で最初の太鼓ソリストとして茨の道を切り開いてきた英哲さんが、今まさに大輪の花を咲かせたというべきでしょう。芸能の中でも、映画や歌謡など華やかな分野と違い、どちらかというと地味な芸能である太鼓音楽に光が当てられ、コツコツと単身努力してきた英哲さんに最高の賞が贈られたことは、太鼓に携わる一人として本当に嬉しいできごとでした。

 そして、4月1日からいよいよ新年度のスタート。桜も咲きほこり、早くもあちこちからコンサート開催のお知らせが届いている今日このごろ。今期も忙しくなりそうです。

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2017年3月24日

春、東西・人物往来

 春は移動、そして異動のシーズン。列車も飛行機も宿も大混雑の今日このごろですが、自ら遠方に足を運んだり、はたまた我が社にお迎えしたりと、今月もたくさんの出会いがありました。

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まず11日は兵庫県福山市へ。古くから箏の生産が盛んな土地柄として知られ、一度は訪ねてみたいと思っていた所。ちょうど翌日は広島で「太鼓本舗かぶら屋」の公演があり、これ幸いと途中下車。町並みをたどったあと、坂本竜馬の「いろは丸事件」「崖の上のポニョ」や万葉集にも詠われた鞆の浦でひと息。のどかな風景にしばし癒やされた一日でした。

 ふたたび新幹線で向かったかぶら屋の公演は、設立20周年の記念公演。2時間半に及ぶ舞台は活気に満ちて、満員の客席からはたくさんの声援が送られていました。どうかこれからもガンバってください

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石川に戻った13日、フロリダに太鼓を普及してきた石倉武政さんがご来社。夕食を共にしながら昔話に花を咲かせ、また現地の太鼓事情に耳を傾けたりと、

心なごむ一夜でした。

 翌14日は三重県の長谷川恵子さんの道場へ練習風景の見学、お孫さんが大の太鼓好きで、そのご縁でなにかとお世話になっている人で、いつもの明るい笑顔に元気をいただきました。 

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 その週末の17日は、4月の新年度から我が社の一員となる新入社員をお迎え。鹿児島の太鼓チームに所属していた青年で、社会人としての第一歩を我が社に刻むことになりました。いろいろ試練もあることでしょうが、立派な職人に育ってくれることを願うばかりです。

 翌18日、まもなく86歳になる寿司職人の「弥助」さんにお目にかかる機会あり。弥助さんといえば全国的に知られた寿司の名人。元は空港のある小松に店を構えていたことから「小松弥助」とよばれ、この春から金沢駅近くに新たに暖簾を掲げることになったそう。年齢を重ねてもまだまだ健在で職人を貫く情熱と気迫に、私も心が燃えるようなエネルギーを感じさせられた次第。

 そして3連休最後の20日、藤本さんとアルゼンチンから日本に留学していたサン・クリストバル・ガストンさんの東京で送別の食事会。彼は現地で「真髄太鼓」というチームを率い、3年前からつくば大学で地下鉄工学を学びながら、和太鼓をはじめ能や歌舞伎、舞踏など日本の芸能をたくさん見聞し、そのエッセンスを持ち帰って今後の活動に活かしていくとのこと。

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2013年ASANO US   2014年石川      2016年伊勢

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 将来はアルゼンチンに太鼓文化センターを設立するのが夢だそうで、なんとも心躍る未来図。国境を越えて人の心をつかむ太鼓の不思議な力をあらためて感じたガストンとの別れでした。

 2017年3月東京

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2017年3月10日

過去から現在、未来へと、人は生きる

  桃の節句も過ぎて、寒さの中にも春を意識させる穏やかな日曜日、四国で「讃岐まんのう太鼓」の30周年記念公演が行われました。讃岐まんのう太鼓といえば、思い出深いのが、30年前の太鼓納品の道行き。まず大太鼓注文にあたり、胴はどうしてもカリンで製作して欲しいとのリクエストがあり、確かにカリンは堅くて木質が緻密なために音響的にはすぐれているのですが、大太鼓をつくるほどの大径木が果たしてみつかるかどうか。さんざん手をつくし、選び抜いた材料でやっと完成した大太鼓を、今度は松任から満濃町まで大移動。当時、まだ北陸自動車道もない時代、一般道路を通って滋賀県木之元インターに向かい、ようやく乗った名神高速で大阪南港へ。そこからトラックごとジャンポフェリーで高松港、そしてふたたび一般道で満濃町へと、往復丸4日間の行程。そんな苦労の甲斐あり、その後まんのう太鼓はカリンの大太鼓をシンボルにし、香川県の太鼓をリードする存在となったことは衆知の通り。「おお、あれから30年か・・」と、最近しきりに過去のできごとが懐かしく思えるのは、古希を迎えた年齢のせいか。いやいや、いろんな過去があってこそ現在があると、多くの皆さんとの思い出を大事にしながら前に進んでいきたいと思っている今日このごろ。 

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 その同じ3月5日、福島県では楢葉町で震災復興を願う太鼓コンサート「ふるさとに生きる」の開催。2011年3月11日の東日本大震災に関連する福島第一原発の事故により全町避難から6年、昨年ようやく避難指示が解除されたものの、いまだ復興にはほど遠い現状。この日は「ならは天神太鼓うしお会」の奔走により、同じく事故の影響を受けた双葉町の「標葉せんだん太鼓保存会」、広野町の「広野昇竜太鼓」、高岡町の「小浜風童太鼓」が参加、さらに踊りの2団体とゲストにBURAIHA(和太鼓)の皆さんも加わり、全部で7団体が出演。家族や知人との離合集散などを乗り越え、太鼓を心のよりどころとして生きてこられたこの6年間の歳月の長さを思うと、ふるさとの地で全身で太鼓に向かう姿にただただ胸を打たれた3時間。少しでもお役に立てることはないかと、あらためて思いを新たにしたひと時でした。

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