2010年3月16日

緊張と感動の三日間、そして明日の舞台に期待


 先々週から数日間にわたって取材を受けていたBS-TBSの「グローバルナビ」という番組が、13日土曜日の朝にオンエアされました。本番では私もスタジオにお邪魔し、生出演させていただきました。これまでいろいろと取材を受ける機会はあったものの、テレビの1時間という大きな時間枠に生出演するのは初めての体験でさすがに緊張しましたが、キャスターの嶌信彦さん、榊原英資さん、中井亜希さんのお三方の和やかなトークのお陰で、どうにかゲストとしての役目を果たすことができました。それにつけても、取材に来られた橋本ディレクターの力量には驚くばかり。わずか数日のうちにお一人で取材と撮影、構成、シナリオまでこなされ、本番ではまったく太鼓のことを知らない人にも大変わかりやすく、「和の心」というテーマで和太鼓の歴史や浅野太鼓という企業が紹介されました。あらためてスタッフとキャスターの皆さんに心から御礼を申し上げます。
グローバルナビ
(グローバルナビ)

 無事に本番を終えてホッとしたその足で新幹線に乗り、福島県へ。14日に福島市の飯坂温泉で開催された「飯坂温泉太鼓まつり」のリハーサル会場に向かいました。今回で第9回となったこのイベントは、まつり実行委員会を中心に、市と市観光協会、太鼓連盟の四者がうまく連繋し、官民一体となって継続しているもの。今年はさらに「天皇御即位20年記念」として関係者の力の入れようも並々でなく、リハーサル終了後、出演する9団体が顔をそろえた宴席では、本番に向けての意気込みが熱く語られました。その席で感心したことが一つ。出演団体の一である「鬼太鼓座」のメンバー全員が、リハーサル時のTシャツ姿とはうってかわったスーツ・ネクタイ姿で正座。誰一人として一滴の酒類も口にすることなく端然としていたことでした。鬼太鼓座を創始した田耕氏はメンバーが規律を乱すことには人一倍厳しい人でしたが、創始から4期を経た今もその伝統はしっかり受け継がれていることを垣間見たひと時でした。
飯坂温泉太鼓まつり
(飯坂温泉太鼓まつり)

 14日、およそ3,500人の観客がつめかけた太鼓まつりの会場を後に、ふたたび新幹線とJRを乗り継いで静岡県の御殿場市へ。「富岳太鼓リサイタル2010」にお邪魔しました。富岳太鼓はご承知のように、社会福祉法人富岳会が心身に障害をもつ皆さんの療育に和太鼓を取り入れたことから発足した太鼓団体で、毎年梅の花が咲く時分にリサイタルを開催しています。今年は富岳太鼓結成25周年記念でもあり、富岳会が運営する施設で働くスタッフの皆さんや、施設を利用されている皆さんの演奏にも、ひときわ熱気がこもっていたように感じました。障害をもつ皆さんへの太鼓指導は、健常者への場合とは異なる面でのご苦労があることでしょうが、主宰者の山内強嗣さんをはじめスタッフの皆さん、どうかこれからも頑張って和太鼓療育の可能性を追求していってください。応援しています。
富岳太鼓
(富岳太鼓リサイタル2010)

 さて、明日17日は、地元白山市のホールで鼓童公演「うぶすな」が行われます。3年前に我が社で製作した4尺のケヤキ製大太鼓の石川県初披露に加え、来年鼓童結成30周年を前にしたメンバーが「うぶすな」のためにとくに趣向を凝らした演目を見せてくれるとのこと。いろんな意味で楽しみの大きな舞台です。このブログを読んでくださっている皆さんも、お時間があったらぜひお越しください。お待ちしています。
うぶすな
(鼓童公演「うぶすな」)

2010年3月 8日

木に感謝、自然に敬意


 みかんの産地で、長崎県長与町というところをご存知でしょうか? その長与町にある法妙寺というお寺さんとのご縁をさずかり、去る3日、御神木のクスノキで製作した4張の大太鼓の納品にうかがいました。当日は本堂で奉納式が執り行われ、太鼓に魂を吹き込む儀式の後、お経台に鎮座した大太鼓が荘重に打ち鳴らされました。思えばこれらの太鼓の製作に着手した2008年2月以来、胴の乾燥に予想以上に手こずったことや、納得のいく革の調整など、いろいろ苦労がありましたが、広い本堂にまっすぐに渡っていく響きを耳にすると、すべて報われたような心地になりました。法妙寺のご住職様、ご仲介の労をおとりくださった琴の尾太鼓の中嶋さん、そしてお世話になった関係者の皆さん、よい仕事をさせていただいたこと、心より感謝いたします。どうもありがとうございました。
クスノキの大太鼓
(クスノキの大太鼓)

 こうして心おきなく太鼓づくりに取り組むことができるのも、良い原木があってこそ。さて、我が社の将来の原木確保のために植林を続けている能登半島のケヤキ山の今の様子をご紹介しましょう。
ケヤキ
(植林したケヤキ)

 6日から取材に来てくださっているBS-TBSのディレクターさんと二人、山の撮影へ。6年前、最初にケヤキを植えつけた谷では日当りの良い場所から順に雪解けが始まり、澄みきった雪解け水が直径10cmほどに育った幹の根元を洗っていました。その枝には新芽がふくらみ、紡錘形にとがった先端の元気のよいこと。厳冬に耐えてじっと春を待っていた木々の一本一本がいとおしく、あらためて自然への敬意を深くしたひと時でした。
雪解け水
(雪解け水)
新芽
(新芽)

2010年3月 1日

今日から3月


 早いもので、バンクーバーオリンピックがついに閉会式を迎えました。17日間の開催期間中、思わずテレビの前に身を乗り出して試合の展開に見入ったり、声援を送ったりと、私も世界最大の冬のスポーツの祭典を楽しみました。中でもとくに印象に残ったのが、カーリングに出場した「チーム青森」のメンバーの、まっすぐな表情。一点の迷いもなくただ前方だけを見つめるまなざし、手からストーンを離した瞬間の祈るような緊迫感。どのシーンにもひたむきに一つ事を極めようとする職人のような真摯な表情があり、自分もそうなりたいものだと密かに気を引き締めたものでした。チーム青森は惜しくも8位で敗退しましたが、4年後のソチ大会を目ざしていっそうの研鑽に励まれることでしょう。

 一方、身近なところでは、一昨日からの土・日曜日、今年の「白山国際太鼓エクスタジア2010」に向けて、大太鼓隊の合同合宿練習を行いました。初顔合わせにもかかわらず、さすがステージで鍛えた演奏家の皆さん、なかなかいい感触でオリジナル曲に挑み、早くも本番の舞台が楽しみなところです。さらにこれからどんどん練り上がっていくはずなので、皆さんもどうぞお楽しみに。

 さて、カレンダーは今日から3月。周囲の草木にもどことなく春の息吹が感じられます。あらゆるものに生命力がよみがえり、活発な活動を始めようとしているこの時期、体調を崩して先月から入院しているたいころじい編集長も、一日も早く全快して会社に戻ってくれることを願うばかりです。

2010年2月22日

春に向かって


 春を間近にした時期によく使われる言葉が「三寒四温」。寒い日が三日続いたら、あたたかい日が四日続き、そのうち次第にあたたかい日の割合が多くなって春になるという意味です。そんな春待つある日、栃木県小山市から須賀神社の沼部宮司さんが来社されました。予定通りに太鼓の検品をいただいた後、しばしの四方山話。その話題たるや、陰陽道のことから、日本人の所作の話、日本文化の奥義についてなど、宮司さんの視野の広さには驚かされるばかり。実に有意義なひと時をすごさせていただきました。
宮司さん(左から2番目)
(宮司さん(左から2番目))

 そして昨20日夜は、太鼓の里資料館で恒例の和太鼓ライブ「ASANO BEAT」を開催。今回は、元鬼太鼓座メンバー壱太郎のソロライブで、ソロとして独立して以来4年間にわたって積み上げた修練の成果を力いっぱい披露してくれました。壱太郎、これからもどうか頑張って、大きな太鼓打ちを目ざしてください。
壱太郎
(壱太郎)

2010年2月 9日

心に残る名器の音色


 仕事柄、コンサートに行くと言えばほとんど太鼓の公演ですが、2月2日、久し振りにヴァイオリンのコンサートにお邪魔しました。日本音楽財団によるチャリティーコンサートで、演奏者は竹澤恭子さんと江口玲さん。楽器は、日本音楽財団が一流の音楽家や若手の有望演奏家に無償で貸与している世界の名器「ストラディバリウス1710年製カンボセリーチェ」。となれば、これはもうあれこれ説明しなくてもどれほど素晴らしいコンサートだったか想像していただけるでしょう。胸にしみ入るような深い響きの音色と、下半身から上半身、肩、腕、手首、指先、顎と、全身を使って奏でるブラームスの名曲。目に映るのはヴァイオリンを奏でる演奏者の姿でありながら、耳に届くのはまるで演奏者とヴァイオリンが一体化して紡ぎ上げたかのようななめらかな旋律で、「表現」という行為の奥深さをあらためて感じさせられました。世界に稀な名器の音色と、努力を重ねた演奏者の技巧、そして演奏者育成に大きな貢献を果たしている日本音楽財団の理念。そのどれもに心からの拍手を送った演奏会でした。

 明けて3日。窓を開けると外は一面の雪景色。朝刊の一面は相撲協会理事選に貴乃花親方が当選としたとのニュース。二所ノ関一門を離脱して出馬し、当選した貴乃花親方は37歳。自分のことを振り返っても、男30代は何かをやれる年頃。きっと相撲界に新風を吹き込んでくれることでしょう。まだ誰の足跡もないまっさらの雪に重ねて相撲界の革新を期待し、清々しい一日の始まりを迎えた朝でした。

 翌々日の5日金曜日は、六本木のサントリーホールで、声明(真言宗普山派)と太鼓のコンサート『千響』。200人のお坊さんと太鼓とのコラボレーションは圧巻の太鼓絵巻。人の声と太鼓の音に酔いしれた2時間でした。
声明(真言宗普山派)と太鼓のコンサート『千響』
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 続く土曜日、同じくサントリーホールで釧路蝦夷太鼓のコンサート。メンバーは消防士や救命士の方々など、本業をまっとうしながら修練に励み、2時間の舞台は胸に迫るコンサートでした。終演後、太鼓の搬出を手伝いながら「よくぞここまでやった」。そんな思いがこみ上げ、打ち手の皆様に本当に頭の下がる思いでした。地方発東京コンサート、太鼓文化の裾野の広がりに乾杯! プロの方々も油断していられませんよ。
釧路蝦夷太鼓のコンサート
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2010年1月28日

大寒だより


 正月が終わったと思ったら、もう月末。先日、新聞のコラムに、なぜ年をとると月日のたつのが早く感じられるかということが面白く書いてありました。それによると一年の時間の感覚は、分母を年齢、分子を365日にした計算式で割り出せるそうです。つまり1歳の赤ちゃんは365/1で、一年は365日。10歳だと365/10になり、ぐんと一年がたつのが早くなります。その計算だと60歳では365/60ですから、1年の長さはなんと約6日。もちろんこれは冗談ですが、なるほど、そう言われれば、当たらずとも遠からずというような気もしますね。

 そんなふうに足早に終わりつつある1月の半ば、オーストラリアから来客。熊本のご出身で、今はメルボルンで太鼓の振興・拡大に努めている坂本敏範さん。和太鼓に対する熱い思いをとうとうと語る姿は情熱の人そのもので、そのフロンティア精神には頭が下がる思いでした。オーストラリアではほかにも佐藤綾子さんやシドニーの和太鼓グループTaiko'zも大活躍で、これからますます太鼓が盛んになりそうで期待がもてます。
メルボルンの坂本様
(メルボルンの坂本様)

 その翌週末は四国へ。最初に向かったのは愛媛県の旧津島町で、10年前に製作した樹根大太鼓「平安」の張替納品。久し振りに訪れた太鼓館は太鼓の台も床も塵一つなく清められ、太鼓つくり手としては嬉しい限りでした。次にこの太鼓の革をはずすのは2020年。というのは、この太鼓は実はタイムカプセルの役目も兼ねており、胴の内側には製作年にこの町に生まれた赤ちゃん全員の名が刻んであります。その子たちが成人式を迎える時に、革をはずして対面してもらおうというもの。その日まであと10年。私もとても楽しみにしています。
樹根太鼓
(樹根太鼓)

 その足で今度は高知へ。高知市で和太鼓普及に尽力している「土佐和太鼓 一響館」主催の「高知和太鼓コンテスト」に審査員としてお邪魔しました。一響館は永く学校教育や生涯学習に携わってこられた明神和宏先生が主宰する太鼓研究所で、コンテストは今年で4回目。一般の部と子供の部を合わせて26チームが参加し、年々向上している力量には驚くばかり。演奏技術の向上と地域の親睦を目的に開始されたコンテストの成果は、確実に実を結んでいるようです。明神先生、高知の皆さん、これからも頑張ってください。

 さて、1月20日の大寒から2月いっぱいにかけては、一年でもっとも寒さが厳しい時期。このブログを読んでくださっている皆さんも風邪などひかないよう、どうかお体に気をつけてお過ごしください。

2010年1月 3日

新年のごあいさつ


 新年おめでとうございます。

 2010年が始まりました。北陸は大晦日から寒気が強まり、元旦の朝は一面の雪景色。社会的にいろんな意味で息苦しさのあった昨年の空気を一新するかのような、清浄で静謐な年明けでした。

 そんな風景を眺めながら、年の始まりにあたって思うのは、やはりこの一年をどう進むか。そして10年後の目標をどこに置くかということ。予測不能の現代とはいえ、いや、だからこそこの会社を預かる者としては明確な指針をもって社業を推進していかなければなりません。厳しい経済環境の中、不安の多いスタートではありますが、何よりも「人の心」を大切に、智恵と創意を駆使して精いっぱい頑張ってまいりますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、年明けの我が社の明るいニュースを一つ。1月15日、毎年アメリカ・カリフォルニア州アナハイムで開催されている世界最大の楽器の祭典「NAMM Show」2010において、浅野太鼓は業界最古の打楽器メーカーとして表彰を受けることになりました。昨年末に飛び込んできた思いがけないお知らせはまさに創業400周年の年をしめくくるにふさわしく、式典にはこれからの社業を担う社長の恭央と浅野純代を出席させることにしました。外国の大きな式典で表彰されることの緊張感、そこで生まれるたくさんの人との新しい出会い。それらが恭央の今後のモノづくりの姿勢にいい影響を与えてくれればと思います。これもひとえにNAMMに浅野太鼓を紹介してくださったJapan Music Trades誌の澤野社長様ならびに前ヤマハ・トレーディング・ミュージック社梅蔭部長様と山内様のご縁によるもの。お三人には心より感謝申し上げます。

 恭央は翌日、十数年前にシルク ド ソレイユに納めた太鼓の張替にラスベガスへ。世界最大の歓楽街で、世界屈指のパフォーマンス集団の舞台にふれ、ここでもきっといい経験ができることでしょう。こうしてどんどん見聞を広め、十八代当主を受け継ぐ「器」を培っていって欲しいと願っています。

 皆さまもそれぞれに年頭の展望を描かれたことと思います。お互いにその目標点に一歩でも近づけるよう、全力で頑張りましょう。

 まずは本年の皆さまのますますのご多幸とご健康をお祈りいたしますとともに、旧倍のお引き立てを賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

2009年12月28日

どうか良い年末年始を


 今日は我が社の仕事納め。朝から社員総出で煤払いを行い、午後2時からの納会で手締めをして一年の業務を終了します。社員の皆さん、一年間、本当にご苦労様でした。


 その社員同士の社内結婚というめでたい出来事で幕を開けたこの12月、後半も何かと嬉しいことが続き、明るい気持ちで年末を迎えることができたのは、何よりの喜びです。


 まず19日、ヒダノ修一さんの20周年記念公演で、20年にわたる研鑽の舞台を堪能。翌20日は鼓童の12月公演にお邪魔し、和太鼓の本筋をきちんとおさえた丹精な舞台に、身体性と音楽との美しい相関関係をあらためて目にした思いでした。


 23日は大分を拠点とするTAOの東京国際フォーラム公演。こちらは鼓童とは対照的に、和太鼓の概念を打ち破るような奔放な演出で、舞台での表現の方法論に新たな可能性を実感させるものでした。いろいろな太鼓チームがこのようにいろんな手法をみつけ、互いに切磋琢磨しながらさらに和太鼓芸能を発展させていってくれるよう願うばかりです。


 26日、地元白山市の青少年チーム・サスケの初コンサート。太鼓を始めて15年、サスケ結成から7年。焱太鼓の山田瑞恵の指導のもと、コンサートに向けてここ数ヶ月の間ひたむきに稽古を重ねた頑張りを目にしていただけに、その成果が表れた舞台には、思わず目尻が下がってしまいしました。メンバーの皆さん、お疲れ様でした。


 そして最後に飛び込んできた嬉しいニュース。山本寛斎さんが「2009年空間デザイン賞」を受賞されたとのこと。寛斎さんにはこれまで「アボルダージュ」や「太陽の船」などたくさんのスーパーショーに太鼓で参加させていただきました。今回の受賞は、それらのスーパーショーの功績に対して贈られたということで、その一端にでもかかわらせていただいたことを、あらためて誇りに思います。寛斎さん、心よりお祝いいたします。


 さて、振り返れば今年一年、本当にたくさんのことがありました。中でも創業400周年記念事業では本当に多くの方々からお祝いとお励ましをいただき、また社員も一丸となって事業を盛り上げてくれ、お陰様で先祖に顔向けのできる催しとなりました。これもひとえに皆さまのご愛顧の賜と、深く御礼を申し上げます。


 来年の干支は寅。一日で千里の道を往復するといわれる虎の勢いを見習いながらも、しっかりと地に足をつけた商いに精進してまいりまずので、どうか新年も引き続きのお引き立てを、どうぞよろしくお願いいたします。
 では皆さま、どうか良い年末年始をお迎えください。

2009年12月 9日

「山祭り」で神々に感謝


  昨夜は草月ホールで「太鼓集団天邪鬼」の「伝統のひびき」公演。さすが熟練の見事な打芸を見せていただき、余韻を胸に響かせながら夜行寝台列車で帰途につきました。ガタンゴトンと列車に揺られながら、思い出したのは今から30年近く前のこと。現社長の恭央が中学3年のころ、二人でドイツ・フランクフルトの見本市(メッセ)に出張。現地で組み上げた6尺の桶胴太鼓をサークル・アンサンブルに買っていただき、帰り道は夜行列車でフランクフルトからパリへ。国境を越えるたびにバスポートの提示を求められ、明け方ようやくパリに着いた時は、馴れない夜汽車の旅に二人とも体がカチカチに固まっていたものでした。その恭央も社長に就任してまもなく10年。今年は42歳の厄年にあたり、つい先日厄払いの「初老祝い」を済ませたところ。あの中学生の恭央がと思うと、感慨深いものがこみ上げてきました。


 午前6時30分に金沢駅に到着。まっすぐ会社に向かい、8時過ぎに白山比咩神社に出発。今日は年に一度の「山祭り」の日。木にたずさわる職業の人が山の神様、木の神様に感謝を捧げる祭りで、社員一同つつしんで神前に手を合わせました。つい数年前までは、山祭りには建築会社や木地師などたくさんの人が参拝に来ていましたが、昨今の不況のせいもあってか、今年は我が社のほか1社、それも代表者1人のみ。我が社も決して業績芳しいわけではありませんが、ともかくこうして全員そろってお参りできるのは何よりも有難いこと。山の神、木の神、そして商いの神様に心からの感謝を捧げ、ますます太鼓づくりに精励してまいりますので、どうか引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします。

2009年12月 2日

師走入りに嬉しい出来事


 いよいよ師走に入ったものの、12月とは思えない暖かさ。過ごしやすいのは有難いけれど、これも「地球の温暖化」の表れかと思うと、将来の環境異変に一抹の不安を覚える今日このごろです。

 さて、師走を前にした11月27日から29日まで、高知で「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」による「オープンカレッジin高知」が開催されました。 エンジン01文化戦略会議は、各分野の表現者・思考者たちが日本文化のさらなる深まりと広がりを目的に参集したボランティア集団で、2009年度オープンカレッジの大会委員長が林真理子氏、実行委員長に和田秀樹氏、実行委員に秋元康氏、浅葉克己氏ほかそうそうたる顔ぶれ。山本寛斎氏も委員の一人で、28日、寛斎さんのプロデュースで「太陽の船」高知バージョンが上演されました。獅子の気球と、地元の太鼓グループ「一響館 侍」の太鼓との共演でカレッジはいっそう盛り上がり、侍の逞しい演奏ぶりに大きな拍手が送られました。

 そして突入した12月、昨1日は月に一度の全社朝礼。明年4月4日に第1回を開催する「浅野太鼓 楽市楽座」に向けて、ワークショップや物販コーナーに並べる小物の発表会も合わせて行いました。社員それぞれがアイディアを駆使して試作した小物は30点余り。仕事の合間に太鼓の廃材を利用して仕上げた工夫の品は、どれも驚くほど見事な出来栄え。中には「あの社員がこれを?」と思うような意外な逸品もあり、楽市楽座のキャッチフレーズ「新しい自分探し」という言葉がそのまま社員にもあてはまっていることを実感しました。4月までにはさらに品質を高めてご来場の皆さんをお待ちしているので、どうぞお楽しみに。

 同じ日、読売新聞2面の「顔」のコーナーに、岐阜県恵那市で活動している太鼓奏者、加藤拓三さんが紹介されていました。加藤さんは昨年の東京国際和太鼓コンテスト大太鼓部門で最優秀賞を獲得した青年で、今年1月、「年内1000軒」の目標を掲げて太鼓の門付けライブをスタート。ついに11月26日に目標を達成し、掲載された写真は喜びが爆発したような表情。加藤さんのまっすぐな頑張りに心からの拍手を贈るとともに、社会的に注目を集める"時の人"「が取り上げられるコーナーに太鼓奏者が登場したことにひとしおの嬉しさを感じた出来事でした。