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2016年12月 5日

若手の活動が和太鼓文化の底上げに

 睦月、如月と始まった今年のカレンダーも、霜月を過ぎていよいよ最後の師走。毎年同じ感慨で恐縮ですが、今年も本当に早い一年でした。

 そうした中、この一年はことに若い打ち手の活動が目立ったように思います。これまで折々にご紹介してきましたが、ほかにも直近では11月、神戸の政本憲一さんが高槻市に太鼓教室「和太鼓政や」をオープン。また愛知県西尾市では山田純平さんが和楽総合芸術集団「熱響打楽」を立ち上げて、旗揚げ全国ツアーをスタート。それぞれにプロ意識をたぎらせ、新たなうねりを起こしていることは、まぎれもなく和太鼓文化の底上げとなり、まことに頼もしい限りです。

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 もちろんベテランの打ち手の皆さんも負けじとばかりに各地でコンサートやコラボレーションを繰り広げ、太鼓界を熱く燃やしてくれた一年でした。残すところあと3週間の間にも興味深いコンサートや太鼓祭があり、年末まで目が離せない状況です。

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2016年11月24日

薬師寺普山式で身の引き締まるような時間

 

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 20日日曜日、奈良の薬師寺にて村上太胤菅主の普山式が執り行われ、その厳かな席にお招きをいただきました。普山式とは、新たな菅主(一寺院を管掌する住職)の着任を披露する儀式で、式典にはおよそ3000人の参列者が列席されました。

 村上菅主は岐阜県各務原に生まれて9歳で薬師寺に入られ、長い間修行を積まれた功徳のあるお坊さん。にもかかわらず、まったく偉ぶったところのない気さくなご住職で、そんな人柄も多くの参列者に慕われるゆえんでしょうか。

 式典は薬師寺境内の三重の東塔・西塔と大講堂の間の広場で行われ、仏師で俳優の滝田栄氏の開式の辞に始まり、散華に続いて村上菅主が弥勒三尊像に向かって力強く決意の表白(ひょうびゃく)を読み上げました。さらにテノール歌手の秋川雅史氏の祝儀として朗々とした「翼をください」の独唱、また祝辞は春日大社宮司の花山院弘匡氏、総務大臣の高市早苗氏、奈良県知事の荒井正吾ほかというそうそうたる顔ぶれで、なんとも身の引き締まるような厳粛なひと時でした。

 式典終了後、第二部としてこれまた有り難いお話。まずは村上菅主と東大寺菅主、法隆寺菅主のお三方によるてい談。そろって龍谷大学のご出身ということで、和気あいあいと未来や希望について意見を交わし合う光景は、見ているこちらも幸せになるほど。続いて千住博氏による講話は「宇宙」と「わびさび」の関係について興味深く説かれ、心の奥にしみじみとしみ入っていくようでした。

 やまとのまほろばで、まさに一期一会の体験をしている今この時、日本に生まれたことの幸を思いながら豊かな心持ちで過ごさせていただいた3時間。周囲の皆さまのお導きにより、私のような徳の低い者がこのような晴れがましい場にお席をいただいたことの意味を思い、あらためて人の縁のありがたさを実感した出来事でした。

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2016年11月 9日

それぞれの舞台にそれぞれの思い

 今月は1日に東京サントリーホールで林英哲さんの演奏活動45周年記念特別公演「風の宴2016」、5日・6日は伊勢で「神恩感謝日本太鼓祭」と、月初めから注目の太鼓公演が二つ続きました。「風の宴」では、日本で最初の太鼓ソロ奏者としてスタートして45年、ひたすら高みを目ざして登り続けた英哲さんの意地が垣間見えるような舞台で、またひとつ英哲さんらしい新しい表現を  見せてもらったような気がしました。早くも50年記念の公演が待ち遠しい心境です。

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一方、今年第14回目の伊勢の太鼓祭は、二日間にわたり15団体がのべ43ステージを展開。両日とも快晴に恵まれたこともあるのか、会場のおかげ横丁一帯は例年にない賑やかさ。例年にないといえば、今年初の試みとして、「小倉祇園太鼓保存会」と「銚子はね太鼓保存会」、「レオさん」ことレナード衛藤の3団体が横丁を練り歩くという趣向で、一時は身動きもとれない混雑になるなど、どの出演団体も個性を競いあう太鼓祭となりました。中でも印象に残ったのは、レオさんと共演した3人の女性ダンサーの皆さん。研ぎ澄まされたキレの良い身のこなしに一流の人だけが持つ独特の世界観が感じられ、表現の手段は違えど、見習わなければならんと身の引き締まる思いがした1シーンでした。

  さて、今年のカレンダーは残すところあと1枚ですが、まだまだ気になる公演もあり、できる限り足を運びたいものと考えています。どこかの会場でお目にかかることがあれば、ぜひ声をかけてください。

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2016年10月31日

若者たちの成長が嬉しい舞台

 

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 6日、東京の読売ホールで、神戸の木村優一さんのコンサートがありました。木村さんといえば今から23年前、JTのコマーシャルで林英哲さんが作曲した「七星」を演奏したのが初めての出会いでした。「七星」を打つ大太鼓の打ち手の一人として、「和太鼓松村組」を立ち上げたばかりの松村公彦さんに声をかけると、松村さんは当時まだ高校生だった木村さんと上田秀一さんも一緒に出演できるなら参加させてもらうという返事。もちろん3人一緒に出演していただいたのですが、師と教え子の強い絆に感動したものでした。

 以後、木村さんも上田さんも太鼓打ちとして大きく成長。今はそれぞれに自分の道をみつけて活躍されており、木村さんは「太鼓オルケスタ」と名づけた太鼓と洋楽器のオーケストラに独自の演奏形態を確立されたようです。16日のコンサートでは、太鼓と洋楽器のアンサンブルが華やかな音色を奏で、なんとも楽しい2時間。思いきって東京の会場を選んだという演奏活動25年の節目の公演は、実り多いものがあったようです。

 一方、映画と同時上演されることで話題になった中村勘九郎さん主演の舞台「真田十勇士」に、元「大阪打打打団」メンバーの小島功義さんが太鼓で出演。ご案内をいだいて劇場を訪れると、なんとステージ中央でスポットライトを浴びた大太鼓と桶胴・締太鼓のソロで幕開け。いっきに興奮した観客を前に、今人気絶頂の若手俳優たちによるストーリーが展開するのですが、随所に太鼓のシーンが組み込まれ、大活躍の小島さん。十勇士を鼓舞するような太鼓の響きが、ひとしお物語の臨場感を盛り上げていました。

 木村さん、小島さん、どちらの舞台も素晴らしく、またここに至るまでの道のりのご苦労も想像できるだけに、客席の拍手が自分のことのように嬉しかったステージ。これからも楽しみにしています。

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2016年10月21日

三者三様の太鼓の舞台に感動

 10月に入り、石川県内で相次いで三つの太鼓コンサートが開かれました。

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 まず12日に長崎の「瑞宝太鼓」、翌13日に大分の「TAO」、そして15日に長野の「和力」。それぞれにまったく個性の異なるチームが見せてくれた三つの舞台に、あらためて太鼓という楽器が創造する面白さを感じた三日間でした。

 12日の瑞宝太鼓は、障害をもちながら太鼓を演奏しているプロ集団です。9月に長崎を出発し、全国のステージを巡回しながら石川に到着。これほど大きなチームに成長するとは20年前の設立時には予想もしなかったこと。おそらく健常者の何倍も努力されたことを思うと、メンバー一人一人に心からの拍手を贈りたい気持ちでいっぱいでした。 

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 翌日のTAOの舞台は、「舞響」というタイトルにふさわしいエンターテインメント性の高い舞台で、次々に展開される大スペクタクルに目を奪われ続けた2時間。7月に東京で観た時よりもさらに進化したステージに、代表者である藤高郁夫さんの、ものをつくる意志の力の大きさにあらためて敬服した次第です。

   

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  そして和力といえば、あくまでも古典を踏まえながら、柱となる加藤木朗さんを中心に、ゲストの今福優さんや内藤哲郎さんの芸風も活かしつつ、独特の空気感に満ちた舞台にほっとさせる和やかさ。それぞれに自分の道を探求している姿も好もしく、これもまた心惹かれるステージでした。

 ともかく三者三様の太鼓の舞台。いずれも太鼓の将来性を感じさせ、日本が世界に誇る「太鼓」という文化の大切さを実感しているところです。

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2016年9月30日

国立劇場「日本の太鼓」公演に思う

 

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9月に入り、3日に東京練馬で「太鼓集団天邪鬼」の30周年公演、4日に浜松で「都田九重太鼓」の35周年公演、21日にふたたび東京にもどって国立劇場で「大江戸助六太鼓」の60周年公演と、三つの周年記念公演。それぞれに並々ならぬご努力と情熱により今日まで継続してこられた偉大さに、あらためて頭が下がる思い。ことに「鼓の語らい」と題した大江戸助六太鼓公演は宗家小林正道さんの独特の打法を60年にわたって貫いた、まさに「太鼓道60周年記念公演」であり、一芸に秀でた太鼓打ちの足跡をまざまざと見せつけられたように思います。小林さんをはじめ、皆さん、本当におめでとうございました。 

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 続く周年事業は、国立劇場の「日本の太鼓」。今年は劇場の開場50周年を記念した特別企画の二日間公演。初日に「八丈太鼓」「尾張新次郎太鼓」「石見神楽」「林英哲と風雲の会」、二日目に「佐原囃子」「陸前高田気仙町けんか七夕太鼓」「琉球國祭り太鼓」「林英哲と風雲の会」と、二日間の出演者が入れ替わることもあり、両日じっくり観覧しました。

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 この「日本の太鼓」公演、思い起こせば39年前、昭和55年に「日本の太鼓」を企画・実現された当時の芸能部プロデューサー・西角井正大先生との出会いは、その後の私の太鼓観になんと大きな影響を及ぼしたことか。すでに民俗学者としても高名だった西角井先生は、北陸の小さな太鼓屋の倅(せがれ)だった私に気さくに声をかけてくださり、太鼓をつくるだけで芸の面にはまるで無知だった私は、太鼓にも「伝統の太鼓」「民俗芸能の太鼓」「創作の太鼓」のジャンルがあることなど、多くのことを教わりました。

  今回、公演のプログラムに『「日本の太鼓」の述懐と、現状と展望』と題して掲載された先生の巻頭文には、国立劇場でいかにして「日本の太鼓」公演が行われるようになったか、その経緯と、スタートにこぎつけた先生のご苦労が記されています。国立劇場の主旨である伝統芸能公演の枠の中に太鼓を入れたことの難しさと、その厳しさを乗り越えて今大きく開花した太鼓芸能の現状を思うと、先生の学問的思考により太鼓を芸能として位置づけた先駆者としての熱意に、いっそう敬意の念が湧くばかりです。先生のご苦労に報いるためにも、我々もますます頑張らなければと、背筋が伸びた公演でした。

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2016年9月 2日

天高く9月が始まる

 今日は二百十日。立春から数えて210日目にあたり、昔から台風に要注意といわれている日です。そんな言い伝えより数日早くやってきた台風10号。とくに東北・北海道で大きな被害があり、心よりお見舞い申し上げます。

 さて、8月も我が社には国内外からたくさんの客人が来社されました。大人も子供も太鼓が大好きの皆さん、夏休みということもあって、賑やかな1カ月となりました。 

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 そうした中で、好青年としてひときわ印象深かったのが、ソロ奏者ヒダノ修一さんの長男の一彩くん。元ジャニーズ事務所所属の18歳で、父親ゆずりのイケメン顔に、礼儀正しい素直な会話。現在はプロ奏者として活動しているとのことで、曲をおぼえる極意を聞いて感心。新曲は2時間で習得できるそうで、譜面ではなく曲全体を一つのパフォーマンスとして身体になじませるとのこと。そういえば先日お会いした林田ひろゆきさんの長男18歳・髙橋ルウクくんもさわやかな印象で、父親に続いて太鼓奏者としてデビューしたとか。太鼓界もいよいよ第四世代に入ってきたかと、あらためて時代の変化に思い至る今日このごろです。

   我が社では、今月は上半期の最終月、厳しい時期ですが気合いを入れ直して、精進するばかりです。どうか引き続きのご愛顧を、よろしくお願いいたします。

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2016年8月19日

甦った欅大太鼓の音色

 45年前、太鼓が舞台芸能用として登場した大太鼓、

     私が24歳のとき張り上げた欅長胴太鼓3尺8寸

懐かしい文字のかずかず、、、、

    海外で締め直した記憶のかずかず、、、思い出がよみがえる。

 

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1975年ボストンマラソンにて

ゴールのブリデンシャルビルの前 

(写真左より: 高野巧さん、ライリー・リーさん)

  

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懐かしい思い出

 

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45年前の大太鼓 ― 欅3尺8寸大太鼓

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2016年7月28日

「やって良かった」の手応え

 17日、23回目の「白山国際太鼓エクスタジア」を終えました。1993年にスタートしてはや23年、我ながら、それなりに成熟した舞台になってきていると自負しています。

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 今年は第1部の「伝える響き」、第2部の「林英哲コンサート」ともに熱演が繰り広げられ、開幕しょっぱなから力強い男の太鼓を響かせた「愛宕陣太鼓連響風組」、味わい深い祭り囃子の「石崎豊年太鼓響友会」、多感な年代のまっすぐな音色が凜々しい「和太鼓つばき」、のびのびと島太鼓を打ち出した「大東太鼓北曙会」、メンバー一新にもめげず稽古の成果を見せた「サスケ」、躍動感あふれる「タツバンド焔龍」、女流太鼓の意地を見せた「炎太鼓」、そして太鼓絵巻を見るような林英哲と風雲の会による品格あふれる「澪の蓮+七星」と、それぞれに「さすが」の仕事ぶり。太鼓の「ありよう」をきっちり見せつけた充実した舞台は、まさに一見の価値があったと確信しています。

   さらに翌日、世界で初めての太鼓のための作曲コンクール「林英哲杯太鼓楽曲創作コンクール」の第一回を開催。太鼓界第一人者の林英哲氏がただ一人審査員となり、自身の目と耳で審査するコンクールに、どんな曲が選ばれるのか。この世界を創り上げ、作品づくりにおいては秀でた完成と才能を兼備している演奏者ならではの視点に興味しんしん。映像による一時審査を通過した18組の演奏曲に対し、「曲」「リズム」「打力」「創造力」「型」「アンサンブル」の6項目評価により、独奏作品部門青少年の部、独奏作品部門一般の部、団体作品部門の3部門から優れた楽曲が顕彰されました。受賞された皆さんの、本選に向けた稽古の奮励努力を讃えるとともに、今後の一層の成長を期待するばかりです。

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 また表彰式に続く林氏の講評にも含蓄が多く、太鼓にかかわりのある人にもない人にも、大きな感銘を与えたようです。こうしたことも含め、大変おこがましいことではありますが、「やって良かった」と、踏み出した冒険に大きな手応えを感じている今です。






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2016年7月21日

「武器」を磨き続けるTAOの凱旋公演

 

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 今月15日から24日まで、「Zeppブルーシアター六本木」で上演されている「TAO」の公演を初日の15日に観覧。先日のブロードウェイ公演からの凱旋公演と位置づけられた「*舞響*踊る和太鼓」の舞台を見て、いつも心の隅にある一つの言葉が大きく胸に広がりました。それは「武器を磨け」という言葉。「自分自身、あるいは会社においても、何か優れた点があったら徹底的に磨いて武器にせよ」という意味。 TAOの公演はまさにその言葉を具現化したように、TAOという太鼓集団と代表の藤高郁夫さんの理念を徹底的に追求して舞台に上げたという印象でした。

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つねに太鼓の新しい見せ方、観客の楽しませ方を追求するのがTAOの何よりの武器。とことんブレないその姿勢にあらためて脱帽した舞台でした。

 

 

 

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