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2016年7月28日

「やって良かった」の手応え

 17日、23回目の「白山国際太鼓エクスタジア」を終えました。1993年にスタートしてはや23年、我ながら、それなりに成熟した舞台になってきていると自負しています。

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 今年は第1部の「伝える響き」、第2部の「林英哲コンサート」ともに熱演が繰り広げられ、開幕しょっぱなから力強い男の太鼓を響かせた「愛宕陣太鼓連響風組」、味わい深い祭り囃子の「石崎豊年太鼓響友会」、多感な年代のまっすぐな音色が凜々しい「和太鼓つばき」、のびのびと島太鼓を打ち出した「大東太鼓北曙会」、メンバー一新にもめげず稽古の成果を見せた「サスケ」、躍動感あふれる「タツバンド焔龍」、女流太鼓の意地を見せた「炎太鼓」、そして太鼓絵巻を見るような林英哲と風雲の会による品格あふれる「澪の蓮+七星」と、それぞれに「さすが」の仕事ぶり。太鼓の「ありよう」をきっちり見せつけた充実した舞台は、まさに一見の価値があったと確信しています。

   さらに翌日、世界で初めての太鼓のための作曲コンクール「林英哲杯太鼓楽曲創作コンクール」の第一回を開催。太鼓界第一人者の林英哲氏がただ一人審査員となり、自身の目と耳で審査するコンクールに、どんな曲が選ばれるのか。この世界を創り上げ、作品づくりにおいては秀でた完成と才能を兼備している演奏者ならではの視点に興味しんしん。映像による一時審査を通過した18組の演奏曲に対し、「曲」「リズム」「打力」「創造力」「型」「アンサンブル」の6項目評価により、独奏作品部門青少年の部、独奏作品部門一般の部、団体作品部門の3部門から優れた楽曲が顕彰されました。受賞された皆さんの、本選に向けた稽古の奮励努力を讃えるとともに、今後の一層の成長を期待するばかりです。

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 また表彰式に続く林氏の講評にも含蓄が多く、太鼓にかかわりのある人にもない人にも、大きな感銘を与えたようです。こうしたことも含め、大変おこがましいことではありますが、「やって良かった」と、踏み出した冒険に大きな手応えを感じている今です。






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2016年7月21日

「武器」を磨き続けるTAOの凱旋公演

 

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 今月15日から24日まで、「Zeppブルーシアター六本木」で上演されている「TAO」の公演を初日の15日に観覧。先日のブロードウェイ公演からの凱旋公演と位置づけられた「*舞響*踊る和太鼓」の舞台を見て、いつも心の隅にある一つの言葉が大きく胸に広がりました。それは「武器を磨け」という言葉。「自分自身、あるいは会社においても、何か優れた点があったら徹底的に磨いて武器にせよ」という意味。 TAOの公演はまさにその言葉を具現化したように、TAOという太鼓集団と代表の藤高郁夫さんの理念を徹底的に追求して舞台に上げたという印象でした。

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つねに太鼓の新しい見せ方、観客の楽しませ方を追求するのがTAOの何よりの武器。とことんブレないその姿勢にあらためて脱帽した舞台でした。

 

 

 

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2016年7月 6日

7月の恒例行事2件のこと

 

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 我が社で毎夏の恒例行事としていた七夕飾り。ふとカレンダーを見たら、なんと七夕は目の前なのに、今年は忙しさにかまけて笹竹の用意もしてない始末! 毎年守ってきた行事の準備を怠った後ろめたさを感じながら、あわてて調達の指示を出したのが今朝のこと。いやはや、どんなに忙しくても、やるべきことはきちんとやりたいものと、おおいに反省した朝でした。

 同じく毎夏恒例のエクスタジアもあと10日あまり。今年は開催日1カ月前にはチケット完売という売れ行きで、今だにチケット注文の電話をくださるお客さまには申し訳ないながら、嬉しい状況。翌18日に開催する林英哲杯太鼓楽曲創作コンクールと相乗効果なのか、あらためて太鼓文化が見直されている手応えを実感しています。

 それにしてもこの連日の猛暑。どうか皆さんも体調管理に留意され、元気な夏をお過ごしください。

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2016年7月 1日

まだまだ発展途上の太鼓

 先々週末、富田和明さんの39周年記念公演に行ってきました。テーマは「遺言」で、富田さんらしい思いの込めた公演になるはずっただのでしょうが、1週間前に左手首を骨折したそうで、ギブスをはめながらの痛々しい舞台とあいなりました。

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 とはいえ、痛みをこらえながらも、打芸人として観客を楽しませるサービス精神は相変わらずで、あらためて「芸」と「打つこと」の意味を考えさせられたひと時。 舞台に立って45年、ソロとなって39年の間に蓄えた力を、まざまざと見せつけられた思いでした。共演された斎藤さんおつかれさま。 

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 「遺言」といえば、近頃net上で、「太鼓を世界遺産に」と叫んでいる人がいるようですが、どうも私は賛同できません。

 なぜなら、「遺産」というのはすでに完成されて過去のものとなった遺物をさすことで、今まさに発展途上の太鼓にとっては、まったくあてはまらない言葉であるばかりでなく、太鼓の行く末を逆に阻止する行為にほかならないと思います。 

 太鼓はまだまだ創造の途中です。多くの太鼓打ちが日々模索しながら、真摯に新しい太鼓音楽を作り上げようと努力しています。

その姿を目にするたび、太鼓を「遺産」にという言葉に違和感をおぼえている今日このごろです。

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