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2010年3月31日

浅春の風景


 あたたかい陽射しの中に車を走らせればあちこちに春の気配が感じられる一方、朝晩は未だに真冬のような寒さ。どうやら春と冬が同居しているような、すっきりしない天候のまま4月に入りそうな今年の春ですが、我が社のショールームには今を盛りに咲き誇る桜の花が大きな壺に飾られています。
頂いた桜
(頂いた桜)

 見事な枝を贈ってくださったのは、去る24日に大太鼓をお納めした栃木県の須賀神社さん。この神社は慶長年間、みちのくに陣を構えた上杉景勝軍を討伐にやってきた徳川家康の軍勢30万人が立ち寄って必勝祈願をしたという由緒ある神社。100m以上もある参道には古木が茂り、桜をはじめ四季折々の風情を見せています。そうした格式ある神社に、創業401年目の春に太鼓をお納めできたことは、とても嬉しいことでした。沼部春友宮司様、どうもありがとうございました。
宮司様と総代の皆様
(宮司様と総代の皆様)

 一日置いた26日は、長野県を拠点に活動しているアート・リーさんの白山市公演。リーさんはご存知のようにアメリカ生まれで、来日後に和太鼓に出会って太鼓奏者になったという異色の経歴の持ち主。もちろん舞台に上がるまでには日本人以上のご苦労があったことでしょうが、今は何もかも乗り越えて太鼓ひと筋に精進されています。こうしたたくさんの人々のおかげで現在の和太鼓文化が支えられているかと思うと、拍手にもひとしお力が入ります。

 さて、我が社は今、次の日曜に第1回目を開催する「浅野太鼓 楽市楽座」の準備のまっただ中。たくさんの人に集まっていただき、より太鼓を知ってもらおうという趣旨のもとに行うこの祭事では、太鼓のミニライブやワークショツプのほか、エコロジーの時代に合わせ、工場に眠る太鼓の材料端材を再利用したさまざまな小物の販売や手づくり講座も開かれます。どのコーナーも社員が日ごろからコツコツと知恵を絞って考えたものばかりなので、どうかたくさんのお客様が来てくださるよう願っています。よろしくお願いいたします。
楽市楽座グッズ
(楽市楽座グッズ)

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2010年3月19日

胸を打たれた鼓童公演「うぶすな」


 17日、石川県では4年ぶりとなる「鼓童」の公演が、白山市のホールで開催されました。公演タイトルは「うぶすな」。来年、鼓童創設30周年を迎えるのを前に、創立時のメンバー5人が鼓童としての魂の原点を確かめるという意味で企画されたとのこと。また、今回の公演では浅野太鼓が3年前に鼓童のために製作した4尺のケヤキ大太鼓が舞台に上がることもあり、我が社にとっては大太鼓の初めての里帰りということも重なって、とりわけ待ち遠しい舞台でした。

 藤本吉利さん、小島千絵子さん、藤本容子さん、山口幹文さん、齋藤栄一さんの5人を中心に、鼓童30年の歴史をたどるように演奏された曲は15曲。鼓童ファンなら一度は耳にしたことのある演目ですが、5人がそれぞれの思いを込めた1曲1曲に30年にわたる芸の年季のすごさが感じられました。その年季のすごさは鼓童のすごさでもあり、あらためて現代表の青木孝夫さんの穏やかな人柄の奥に秘めた芸への熱情に胸を打たれたのでした。

 「うぶすな」はファイナルまであと4公演。どなたにもお見逃しのないようおすすめしたい公演です。
うぶすな
(鼓童公演「うぶすな」)

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2010年3月16日

緊張と感動の三日間、そして明日の舞台に期待


 先々週から数日間にわたって取材を受けていたBS-TBSの「グローバルナビ」という番組が、13日土曜日の朝にオンエアされました。本番では私もスタジオにお邪魔し、生出演させていただきました。これまでいろいろと取材を受ける機会はあったものの、テレビの1時間という大きな時間枠に生出演するのは初めての体験でさすがに緊張しましたが、キャスターの嶌信彦さん、榊原英資さん、中井亜希さんのお三方の和やかなトークのお陰で、どうにかゲストとしての役目を果たすことができました。それにつけても、取材に来られた橋本ディレクターの力量には驚くばかり。わずか数日のうちにお一人で取材と撮影、構成、シナリオまでこなされ、本番ではまったく太鼓のことを知らない人にも大変わかりやすく、「和の心」というテーマで和太鼓の歴史や浅野太鼓という企業が紹介されました。あらためてスタッフとキャスターの皆さんに心から御礼を申し上げます。
グローバルナビ
(グローバルナビ)

 無事に本番を終えてホッとしたその足で新幹線に乗り、福島県へ。14日に福島市の飯坂温泉で開催された「飯坂温泉太鼓まつり」のリハーサル会場に向かいました。今回で第9回となったこのイベントは、まつり実行委員会を中心に、市と市観光協会、太鼓連盟の四者がうまく連繋し、官民一体となって継続しているもの。今年はさらに「天皇御即位20年記念」として関係者の力の入れようも並々でなく、リハーサル終了後、出演する9団体が顔をそろえた宴席では、本番に向けての意気込みが熱く語られました。その席で感心したことが一つ。出演団体の一である「鬼太鼓座」のメンバー全員が、リハーサル時のTシャツ姿とはうってかわったスーツ・ネクタイ姿で正座。誰一人として一滴の酒類も口にすることなく端然としていたことでした。鬼太鼓座を創始した田耕氏はメンバーが規律を乱すことには人一倍厳しい人でしたが、創始から4期を経た今もその伝統はしっかり受け継がれていることを垣間見たひと時でした。
飯坂温泉太鼓まつり
(飯坂温泉太鼓まつり)

 14日、およそ3,500人の観客がつめかけた太鼓まつりの会場を後に、ふたたび新幹線とJRを乗り継いで静岡県の御殿場市へ。「富岳太鼓リサイタル2010」にお邪魔しました。富岳太鼓はご承知のように、社会福祉法人富岳会が心身に障害をもつ皆さんの療育に和太鼓を取り入れたことから発足した太鼓団体で、毎年梅の花が咲く時分にリサイタルを開催しています。今年は富岳太鼓結成25周年記念でもあり、富岳会が運営する施設で働くスタッフの皆さんや、施設を利用されている皆さんの演奏にも、ひときわ熱気がこもっていたように感じました。障害をもつ皆さんへの太鼓指導は、健常者への場合とは異なる面でのご苦労があることでしょうが、主宰者の山内強嗣さんをはじめスタッフの皆さん、どうかこれからも頑張って和太鼓療育の可能性を追求していってください。応援しています。
富岳太鼓
(富岳太鼓リサイタル2010)

 さて、明日17日は、地元白山市のホールで鼓童公演「うぶすな」が行われます。3年前に我が社で製作した4尺のケヤキ製大太鼓の石川県初披露に加え、来年鼓童結成30周年を前にしたメンバーが「うぶすな」のためにとくに趣向を凝らした演目を見せてくれるとのこと。いろんな意味で楽しみの大きな舞台です。このブログを読んでくださっている皆さんも、お時間があったらぜひお越しください。お待ちしています。
うぶすな
(鼓童公演「うぶすな」)

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2010年3月 8日

木に感謝、自然に敬意


 みかんの産地で、長崎県長与町というところをご存知でしょうか? その長与町にある法妙寺というお寺さんとのご縁をさずかり、去る3日、御神木のクスノキで製作した4張の大太鼓の納品にうかがいました。当日は本堂で奉納式が執り行われ、太鼓に魂を吹き込む儀式の後、お経台に鎮座した大太鼓が荘重に打ち鳴らされました。思えばこれらの太鼓の製作に着手した2008年2月以来、胴の乾燥に予想以上に手こずったことや、納得のいく革の調整など、いろいろ苦労がありましたが、広い本堂にまっすぐに渡っていく響きを耳にすると、すべて報われたような心地になりました。法妙寺のご住職様、ご仲介の労をおとりくださった琴の尾太鼓の中嶋さん、そしてお世話になった関係者の皆さん、よい仕事をさせていただいたこと、心より感謝いたします。どうもありがとうございました。
クスノキの大太鼓
(クスノキの大太鼓)

 こうして心おきなく太鼓づくりに取り組むことができるのも、良い原木があってこそ。さて、我が社の将来の原木確保のために植林を続けている能登半島のケヤキ山の今の様子をご紹介しましょう。
ケヤキ
(植林したケヤキ)

 6日から取材に来てくださっているBS-TBSのディレクターさんと二人、山の撮影へ。6年前、最初にケヤキを植えつけた谷では日当りの良い場所から順に雪解けが始まり、澄みきった雪解け水が直径10cmほどに育った幹の根元を洗っていました。その枝には新芽がふくらみ、紡錘形にとがった先端の元気のよいこと。厳冬に耐えてじっと春を待っていた木々の一本一本がいとおしく、あらためて自然への敬意を深くしたひと時でした。
雪解け水
(雪解け水)
新芽
(新芽)

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2010年3月 1日

今日から3月


 早いもので、バンクーバーオリンピックがついに閉会式を迎えました。17日間の開催期間中、思わずテレビの前に身を乗り出して試合の展開に見入ったり、声援を送ったりと、私も世界最大の冬のスポーツの祭典を楽しみました。中でもとくに印象に残ったのが、カーリングに出場した「チーム青森」のメンバーの、まっすぐな表情。一点の迷いもなくただ前方だけを見つめるまなざし、手からストーンを離した瞬間の祈るような緊迫感。どのシーンにもひたむきに一つ事を極めようとする職人のような真摯な表情があり、自分もそうなりたいものだと密かに気を引き締めたものでした。チーム青森は惜しくも8位で敗退しましたが、4年後のソチ大会を目ざしていっそうの研鑽に励まれることでしょう。

 一方、身近なところでは、一昨日からの土・日曜日、今年の「白山国際太鼓エクスタジア2010」に向けて、大太鼓隊の合同合宿練習を行いました。初顔合わせにもかかわらず、さすがステージで鍛えた演奏家の皆さん、なかなかいい感触でオリジナル曲に挑み、早くも本番の舞台が楽しみなところです。さらにこれからどんどん練り上がっていくはずなので、皆さんもどうぞお楽しみに。

 さて、カレンダーは今日から3月。周囲の草木にもどことなく春の息吹が感じられます。あらゆるものに生命力がよみがえり、活発な活動を始めようとしているこの時期、体調を崩して先月から入院しているたいころじい編集長も、一日も早く全快して会社に戻ってくれることを願うばかりです。

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