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2021年12月27日

年末のごあいさつ

 北陸は昨夜から数年に一度という大寒波に見舞われ、今朝は見渡す限り一面の雪景色。滋賀県や福井県では国道で自動車の立ち往生が発生して大変な状況になっている様子。しかし反面、昨年に続いてコロナという暗雲に包まれていた今年一年をすべて真っ白な雪で包み込み、浄化してくれるような雪景色はいかにも年末にふさわしい風景のようにも思われます。

 私自身、波風多かった今年一年、たくさんの皆様のお力添えと励ましに支えられ、後顧の憂いなく新年を迎えようとしています。本当にありがとうございました。皆様もどうぞ佳い年末年始を迎えられ、新年も引き続きよろしくお願いいたします。

 書き終わったところで嬉しいニュースが入ってきました。

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 友人である横浜赤れんが倉庫館長 小野晋二さんが、文化芸術を通じてべルギー国と日本国の関係発展に貢献された評価でベルギー国から「シュバリエ章」勲章を受賞されました。おめでとうございます。令和3年の最後に明るいニュースをお届けいたしました。

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2021年12月20日

今年、心に残った本

 いよいよあと十日あまり。怒濤に揉まれたような2021年が、まもなく幕を下ろそうとしています。今年はいつにも増して月日の流れが速かったような。年のせいか、コロナのせいか、思いがけない係争のせいか、、、。いずれにしても、あっという間の一年だったように思います。

 そうした日々の中でも読書欲は衰えず、年末にあたってこの一年の間に強く心を動かされた3冊の本を紹介します。

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 まず1冊目は、今村翔吾の「塞王の楯」。鉄砲鍛冶の集団「國友衆」と石工の集団「穴太衆(あのうしゅう)」との相克の物語で、どんな鋼も石も貫くような鉄砲の製作に命を燃やす鉄砲職人と、どんな鉄砲の弾にも砲弾にも砕かれることのない城壁の建築に執念を燃やす石工職人たちとの、いわば「鉾」と「楯」の戦いが展開される。鉄砲鍛冶たちの努力により、伝来してからわずか数十年のうちに連射式の鉄砲が開発された恐るべき探究心や、石工たちの石の伐り出し、石の「目」を見極める目、石を削る技術、石積の方法、最も重要な「要石」の話など、次々に興味深い記述が続き、自分も52年にわたってものづくりに従事してきただけに、読み進むほどに体が熱くなるような興奮を覚えました。

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 2冊目はヒュー・マクドナルドの「巡り逢う才能 音楽家たちの1853年」。1853年の春から翌年にかけてのわずか10カ月間を舞台に、音楽の長い歴史の中でのほんの一瞬といえる時間の中で、ベルリオーズやリストやヴェルディ、ワーグナー、ブラームスら、音楽史上名だたる音楽家たちの活動や交流や楽曲が誕生した経緯などが描かれている。まさにこの時代だったからこその人間模様の面白さ、出会いの面白さにひきつけられ、一気に読んだ1冊でした。

 そして3冊目はヨアヒム・ラートカウの「木材と文明」。人類が木材を利用して数千年、人間が、現在まで生き延びてきたのは、ひとえに「木材」の恩恵があったから。人類は木材によってさまざまな道具をつくり、人類絶滅の危機が訪れた氷河期などの気候変動の中でも木材を燃やして暖をとり、木材でつくった家で外敵から身を守り、やがて木材を使った車輪を発明したことで人や物の輸送を容易にし、文明がいっきに進化。とにかく木材は人類にとっていかに重要なものかということが、壮大なスケールで語られています。しかし、その木材は、今後どのような道をたどるのか。地球環境の悪化が叫ばれている今、木材に対する考察は誰にとっても大いに関心があることではないでしょうか。皆さんにもぜひお読みください。

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2021年12月 3日

それぞれの太鼓に歴史あり

 

 12月1日に愛知県県内に太鼓をお納めし、ほっと安堵して迎えた師走。令和3年も残すところあと29日となり、なんとなく年の瀬の慌ただしさを感じています。

 さて、先週末の26日、「鼓童」の40周年記念公演へ。振り返れば今から40年前の12月、深夜に突然故河内ハンチョウが訪ねてこられ、ヨーロッパ公演のために太鼓一式つくって欲しいと。あれから40年、そしてその10年前に「佐渡の國鬼太鼓座」代表だった故田耕氏が同じセリフで訪ねてきてから50年。あっというまに過ぎ去った歳月の早さにあらためて驚くとともに、太鼓を舞台に上げてようやくここまできたという感慨が押し寄せ、鼓童の舞台を見ながらこの芸能をさらに成長させ、次の世代に伝承せねばという思いを強くしたひと時でした。

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 翌27日は、伊勢の「第19回神恩感謝日本太鼓祭」へ。昨年はコロナにより中止されただけに、今年は太鼓を待ちかねた人々で予想以上の賑わい。日本中の尊崇を集める伊勢神宮を間近にした独特のロケーションの中、太鼓の際で豪快なパフォーマンスを楽しむ人、少し離れてしみじみと太鼓の響きにひたる人、太鼓の躍動感に合わせておかげ横丁を闊歩する人など、それぞれの楽しみ方をしている風景を眺め、この太鼓祭は伊勢のこの地だからこそ根づいた太鼓文化だと一人納得して帰途につきました。

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