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2008年9月26日

松任は秋祭りたけなわ


 秋祭りの季節です。私の住む地域の春日神社でも19日から21日まで秋季例大祭が行われ、子供獅子舞と御神輿が賑やかに家々を回りました。当地では還暦の年男が、還暦にあたる年とその前後の年を合わせた三年間、神社総代を務める習わしがあり、昨年還暦を迎えた私も総代として礼服姿で巡行に随行しました。普段は挨拶を交わすだけの近隣の人々ともこうした機会に親睦を深めることができるのも、祭りがもたらす福の一つでしょう。

 その祭りの後片づけを終えた21日夜、太鼓の配達のため香川県に向けて出発。鳴門海峡を渡って徳島から香川に入ったのですが、鳴門大橋では豪快な渦潮の上に、昔みた月形竜之介の映画「鳴門秘帖」のシーンが重なり、なんとも懐かしい思いが胸をよぎりました。

 22日早朝、さぬき市に到着。南川太鼓の中川昌人さんと久し振りの再会を果たし、国立劇場の「日本の太鼓」に出演された時の思い出話や、この地に伝わる締太鼓の民俗芸能のことなど、しばしの太鼓談義。現在は企画プロデューサーとしても活躍されている中川さんのますますご活躍を祈って四国を後にしました。

 さらに23日は会社の近くの氏神様の秋祭り。古くからお世話になっている川端さんが新米でつくったおはぎ(写真1)を、それと知人が小松のしきしゃく(写真2)を届けてくれ、あわただしかった五日間の疲れを癒してくれました。おはぎとしきしゃくが私の好物と心得てのご厚意、ご馳走さまでした。

おはぎ
(写真1)おはぎ

しきしゃく
(写真2)しきしゃく

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2008年9月16日

心あたたまる高知の旅


 先週末の13・14日は炎太鼓の公演と太鼓の展示会のため、総勢11名で高知県に出かけました。まず13日は夜須町の中央公民館で。久し振りの高知とあって、たくさんの懐かしい皆さんと再会を果たしましたが、春野町から駆けつけてくださった元「あじさい太鼓」の石川さんと中島さんから私の色紙をねだられたのにはびっくり。生まれて初めてのことに、照れくさいやら恐縮するやら。冷や汗をかきながら、つたない一筆をしたためさせていただきました。

 二日目は佐川町に移動し、町立桜座での公演。ここでもあたたかい拍手に迎えられ、終演後には地元の「さくら太鼓」の皆さんが懇親会を開いてくださいました。

 もとは縁もゆかりもない高知の皆さんとこうして親しく交わらせていただけるようになったのも、ひとえに皆さんと引き合わせてくださった高知市「一響館」主宰の明神宏和先生のお陰です。かつては中学校の校長先生、退官後は太鼓を取り入れた生涯学習の指導に情熱を燃やされ、御歳83歳にしてますますご壮健。先生に心から感謝しつつ、雲間にある中秋の名月を見上げた高知の夜でした。

明神先生ご夫婦 さくら太鼓の皆様
明神先生ご夫婦 さくら太鼓の皆様

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2008年9月 9日

太鼓がくれた温故知新


 先ごろ、2尺5寸ほどの古い太鼓が、めぐりめぐって我が社にやってきました。ふっくらと豊かな丸みのある胴の革をめくると、中には丁寧な中彫りがほどこされ、太鼓の製作年と張り替え年が克明に墨書されていました。もっとも古い元号は元禄十二年で、西暦にすると1699年。よくもまあ300年以上も生き延びてここまでやってきたかと思うと、つくづくこの太鼓がいとしくなります。

 1600年代といえば、江戸時代初期。最近読み終えたばかりの小説「出星前夜」も、この時代を背景とした物語です。何気なく書店で手にした本の表紙を開いた巻頭に長崎・島原半島の地図があり、口之津、南有馬、有家、布津、深江、島原、小浜、千々石など、私が40代に営業に回った地名が懐かしく目に飛び込んできたのが、この本との出会いでした。しかし物語は私の思い出にある穏やかな島原とは遠くかけ離れ、キリシタンや農民、漁民らが、徳川幕府や島原藩主・松倉重政の圧政に蜂起した「島原の乱」を題材にした過酷な歴史小説でした。虐げられた人々が、残虐な弾圧の中で何を考え、どう生きたのか。あらためて人間の本質を考えさせられたこの本と、島原の乱からおよそ50年後に製作された太鼓とがほぼ同じ時に手元にやってきたことにも、不思議な縁を感じています。

 さて、それよりもさらに1200年ほど前に創建された伊勢神宮の内宮周辺一帯で、先週末の5日から7日まで、今年も恒例の「神恩感謝・日本太鼓祭」が行われました。今年で6回目となったこのイベントも、年を追うごとにいい形に育ってきました。これも主催者である伊勢福さんをはじめ、神恩太鼓、近藤克二さん、そしておかげ横町の皆さんをはじめとする地元の皆さんの情熱とご尽力、そして身銭を切って参加される出演者の心意気の賜と思います。皆さん、本当にお疲れ様でした。来年もまた五十鈴川のたもとでお会いしましょう。

元禄12年(1699年)製作の太鼓
元禄12年(1699年)製作の太鼓

出星前夜
出星前夜

伊勢 日本太鼓祭 大太鼓の橋本美和さん
伊勢 日本太鼓祭 大太鼓の橋本美和さん

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2008年9月 1日

気持ちを新たに、9月


 8月31日は、夏休み最後の日。遠い日、楽しかった夏休みが今日で終わると思うと子供心にも一抹の寂しさを感じたもので、今もこの日は柄にもなく感傷的になってしまいます。

 今年の8月31日、北陸は数日来の雨が嘘のように晴れ、早朝から快晴の空が爽やかに広がりました。午前6時、群馬県藤岡市の「藤岡市民太鼓記念演奏会」に向けて北陸道を出発。上越ジャンクションから上信越自動車道に乗り換え、途中、長野の善光寺に立ち寄りました。
善光寺 参道のケヤキ  善光寺を訪れるのは、実に35年ぶり。参道のケヤキの大木はますます威容を増し、玉杢が張り出した樹皮にまで年輪が刻まれています。本堂は伽藍としては日本最大規模といわれる豪壮な建築で、そこに鎮座する3尺の大太鼓3張は、私が中学生の時に親父が張り替えたものです。金箔を使った彩色に苦労しながら「善光寺さんの太鼓を張り替えさせてもらえるのは、栄誉なことなんやぞ」と誇らしげに話していた父の顔を思い出します。同行した長女も47年前の祖父の仕事を目にしたことで、何かを感じ取ってくれたのではないでしょうか。

 午後1時ごろに藤岡市に到着。藤岡市民太鼓は、2001年に群馬県で行われた国民文化祭を契機に結成された太鼓チームで、上杉管領太鼓の上原さんと市民代表の中田さんのご尽力により継続されてきました。開演の1時30分には会場の「群馬みかぼみらいホール」は満席の盛況ぶり。つめかけた観客は、およそ10年にわたる研鑽の成果に大きな拍手を送っていました。市民太鼓の皆さん、本当にご苦労さまでした。

 さて、今日9月1日は、新しい週の始まりであり、新しい月の始まりであり、新しい季節の始まりの日でもあります。その新しい週の半ば、我が社では、11年にわたってイベントの企画・運営を担当していた女性社員が退社することになりました。休日も返上し、365日、昼夜を分かたず貢献してくれた彼女には、心から感謝しています。新しい季節に向かい、新しい道を歩いていく彼女に、幸多からんことを祈るばかりです。

善光寺の大太鼓
善光寺の大太鼓

藤岡市民太鼓
藤岡市民太鼓

公演後、中田正幸さんと
公演後

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