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2008年4月22日

二つの「進化」


 去る18日金曜日、国立劇場にて「鬼太鼓座創始者田耕七回忌追悼・鬼太鼓座構想から40周年の道程」として、鬼太鼓座公演『鬼魂一打』が行われました。私がまだ20代のある日、何の前ぶれもなくふらりと現れた田耕氏から「太鼓で世界を回りたい。太鼓一式つくって欲しい」と唐突な言葉を聞いた時から、40年の歳月が過ぎ去ったことになります。その間、激動の道程をたどってきた鬼太鼓座の変遷をつぶさに見てきた私は、一種の感慨をもって国立劇場の客席にすわりました。

 40年という時間の積み重ねを思えば、人も、思いも、目ざすものも、演奏の形も、時の流れとともに変化していくのは当たり前なのかもしれません。その中で、伝統をどう受け継ぎ、新しいものをどう取り入れていくか。「佐渡の國鬼太鼓座」と名のった設立時から数えて第4期にあたる現在の鬼太鼓座の舞台を見ながら、「進化」という言葉の意味を考えさせられたのでした。

 翌19・20日は、昨年10月に東京にオープンした浅野太鼓の東京練習場『響和館』において、島根在住のソロ奏者・今福優氏を講師に迎えた大太鼓のワークショップを開催しました。大太鼓なので、若年層の受講者を予想していたのですが、集まったのは意外に熟年層が多くてびっくり。やはり大太鼓は、老若男女を問わず人気があるようです。意欲まんまんの受講者を前に、今福氏は門下の末長愛さん、堂本英里さんとともに早朝4時に島根出発という強行スケジュールにもかかわらず、打つ・踊る・歌うと、こちらもまたパワー全開。表革から裏革に抜けるような力強い大太鼓と、朗々と響く野太い声がたゆみない修練の跡を感じさせ、ワークショップとはいえども今福氏ならではの熱い世界が繰り広げられました。講師も受講者の皆さんも、ご苦労さまでした。
 ちなみに今福氏は、かつて第2期鬼太鼓座に在籍していました。そこで大太鼓の虜になり、退座後は肉体労働で蓄えた資金で自前の太鼓を調達し、地道に自分の太鼓観を築いてきた人です。派手さはありませんが、真摯に太鼓と向かい合う姿はいかにも男っぷりが良く、「太鼓打ち」という言葉がぴったりの打ち手です。ここでもまた「進化」という言葉が頭をよぎり、はからずも鬼太鼓座40年の歴史をあらためて振り返った三日間でした。

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