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2017年3月10日

過去から現在、未来へと、人は生きる

  桃の節句も過ぎて、寒さの中にも春を意識させる穏やかな日曜日、四国で「讃岐まんのう太鼓」の30周年記念公演が行われました。讃岐まんのう太鼓といえば、思い出深いのが、30年前の太鼓納品の道行き。まず大太鼓注文にあたり、胴はどうしてもカリンで製作して欲しいとのリクエストがあり、確かにカリンは堅くて木質が緻密なために音響的にはすぐれているのですが、大太鼓をつくるほどの大径木が果たしてみつかるかどうか。さんざん手をつくし、選び抜いた材料でやっと完成した大太鼓を、今度は松任から満濃町まで大移動。当時、まだ北陸自動車道もない時代、一般道路を通って滋賀県木之元インターに向かい、ようやく乗った名神高速で大阪南港へ。そこからトラックごとジャンポフェリーで高松港、そしてふたたび一般道で満濃町へと、往復丸4日間の行程。そんな苦労の甲斐あり、その後まんのう太鼓はカリンの大太鼓をシンボルにし、香川県の太鼓をリードする存在となったことは衆知の通り。「おお、あれから30年か・・」と、最近しきりに過去のできごとが懐かしく思えるのは、古希を迎えた年齢のせいか。いやいや、いろんな過去があってこそ現在があると、多くの皆さんとの思い出を大事にしながら前に進んでいきたいと思っている今日このごろ。 

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 その同じ3月5日、福島県では楢葉町で震災復興を願う太鼓コンサート「ふるさとに生きる」の開催。2011年3月11日の東日本大震災に関連する福島第一原発の事故により全町避難から6年、昨年ようやく避難指示が解除されたものの、いまだ復興にはほど遠い現状。この日は「ならは天神太鼓うしお会」の奔走により、同じく事故の影響を受けた双葉町の「標葉せんだん太鼓保存会」、広野町の「広野昇竜太鼓」、高岡町の「小浜風童太鼓」が参加、さらに踊りの2団体とゲストにBURAIHA(和太鼓)の皆さんも加わり、全部で7団体が出演。家族や知人との離合集散などを乗り越え、太鼓を心のよりどころとして生きてこられたこの6年間の歳月の長さを思うと、ふるさとの地で全身で太鼓に向かう姿にただただ胸を打たれた3時間。少しでもお役に立てることはないかと、あらためて思いを新たにしたひと時でした。

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